遺伝子が動物間で移動したことをマダニの研究で世界で初めて証明したと、三重大医学系研究科の岩永史朗准教授(医動物・感染医学)が七日、発表した。このマダニは少なくとも九千四百万年前、吸血する際に恐竜やは虫類から遺伝子を獲得したとみられる。英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に先月二十一日掲載された。 岩永准教授は、アフリカに生息する体長一センチほどのマダニ「オルニソドロス ムバータ」に着目。吸血しやすいよう相手の血管を拡張させる遺伝子が、このマダニの唾液に含まれていることを発見した。 この遺伝子は脊椎動物しか持っていないことから、マダニが脊椎動物から吸血を介して遺伝子を獲得したと仮説を立て、マダニと脊椎動物の遺伝子構造を調べたところ、ほぼ一致。遺伝子が動物間で移動したことが裏付けられたとしている。 また、マダニの進化の分類から、オルニソドロス属マダニは二億三千四百万年前から九千四百