若年層が国家公務員を志望しなかったり早期に離職したりする傾向に歯止めがかからない。職務内容を明確にして成果で処遇する「ジョブ型」の働き方が打開のカギを握る。外国の例に学ぶ。「大半が主体性のない仕事に感じた。やりたいことをするのに10年はかかる」。2021年度に総合職で経済官庁に入った20代男性は1年足らずで退職した。実力本位で仕事ができる金融系スタートアップに転職し働きがいを実感する。人事院
新年度が始まって10日あまり。街を歩けば、真新しいスーツを着た新入社員の姿がまぶしく映る。しかし、本人に代わって企業側と交渉する「退職代行」サービスの現場では、すでに新卒者からの依頼が相次いでいる。「入社前と話が違うのですが……」。多くはそう切り出すという。 「あんな会社とは話できない」 各地で入社式が行われた1日、東京都大田区の「アルバトロス」が運営する「退職代行モームリ」の電話に、さっそく新入社員からの依頼が舞い込んだ。「あんな会社とはもう話ができません。退職代行をお願いします」。美容関係の企業に就職したという20代女性の声は怒りで震えていた。 女性は入社前、髪の色は自由だと聞かされていたが、入社式直前に黒に染めるよう指示された。拒否すると、入社式に出席させてもらえなかった。そのままモームリに電話をかけて退職の手続きを進めてもらい、今は新しい就職先を探しているという。 モームリは弁護士
愛猫家なら誰でも知っている有名企業、猫用おやつ「CIAOちゅ~る」でおなじみのいなば食品株式会社が、“ボロ家ハラスメント”との報道を受けて、ホームページにコメントを出した。 『週刊文春』の報道によると、静岡県内で勤務する予定だった一般職の女性たちが相次いで入社を辞退し、その割合は9割に達したという。入社を辞退した女性による「募集要項に給与が22万6000円とあったが、入社の段階になって、『給与は決まっていません』と言われ、あらためて問い合わせると、19万6450円と告げられた」という証言のほか、「静岡の社宅は雨漏りするボロ家」とも報じられている。 NEWSポストセブン取材班は、問題の社宅の画像や動画を入手した。天井から落ちてくる水をマグカップで受け止めており、令和の時代に若者が暮らす環境とは信じられない。動画や画像を提供してくれたAさんが語る。 「こちらは3月28日、社宅に入居したときに撮
いい高校からいい大学へ、そして、いい会社へ――日本の学歴信仰の背景には、「偏差値の高い大学に入れば、有名企業に就職できる」という考えがあります。裏を返せば、「入社試験では大学名でふるいにかけられる」と考えている人が多いということです。そんな「学歴フィルター」は、本当に存在するのでしょうか。もしあるとすれば、大学選びにどう関わるのでしょう。働き方や就活に詳しい千葉商科大学の常見陽平准教授に聞きました。 【アンケート結果】学歴フィルターを感じたことありますか? 「学歴フィルター」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。新卒の採用活動で、企業が採用のターゲットとする大学を絞り、応募学生をふるいにかけて、選考を進めることを指します。この言葉が広く使われるようになったのは2010年代の初め頃ですが、以前から「いい会社に入るためには、偏差値の高い大学に入学しなくてはいけない」と言われてきました。
4月1日から社会的な所属が失われる新年度を迎え、学校での学年があがる、新しい教育課程に進学する、また、担当部署の異動や、新しい職場で働き始める方々がたくさんいます。 その一方、卒業や中退、退職などを決断しながらも、進学先や就職先が決まっていない方にとっては、4月1日以降についてどうしていくか悩んでいる方もいると思います。同様に、4月1日から現状を変えようと心に決めながらも、新たな環境に一歩踏み出すのが不安という方もいるでしょう。 過去、育て上げネットで支援した、就職先が決まらないまま4月1日を迎えることになった若者がこんなことを話していました。 これまでは「〇〇高校〇年の工藤です」や「〇〇株式会社の工藤です」というように、自分が所属していたコミュニティとともに自己紹介して、自分の存在を伝えてきました。その世界が突如なくなってしまったことが、とても不安で恐ろしいです。 日常生活において、物価
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共同通信社は12日、主要企業114社に実施したアンケートをまとめた。人手の過不足感を企業に聞いたところ「人手が不足」か「やや不足」と回答した企業が計49%に上り、約半数の企業が不足感を訴えた。対策を複数回答で聞いたところ「中途採用の拡大」が72%で最も多く、人材の確保が重要な経営課題になっている現状がうかがえる。 【グラフ】60~74歳の就職活動状況 高齢者の53%、就職できず 人手が「過剰」や「やや過剰」とした企業は計2%だけだった。対策では「新卒採用の拡大」も47%となり、採用を重視する企業が多かった。「外国人労働者の受け入れ」も18%あった。「賃金の引き上げ」は38%、「福利厚生の改善」は16%にとどまり、採用に比べると割合が少なかった。 人材の確保には賃上げが重要な要素とされる。2024年度の賃上げを「検討している」とした企業は24%で「方針未定」が61%だった。 トラック運転手の
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「会社を辞めるなら誓約書にサインしてね」 実際に起きた事件です。その誓約書には以下のシバリが。 退職後の1年間は競合他社に就職しない 違反すれば3か月分の給与の賠償金 もろもろの会社の損害を賠償するなど 会社を辞める時に「これにサインしてね」と上記のような誓約書を差し出されることが多いと思います。現在は転職が当たり前の時代となり、フリーランスとして羽ばたく方が増えているのでトラブルも増加する予感です。 この事件では会社が元従業員を提訴。「この誓約書に違反した!139万を払え!」と主張。結果は、従業員の勝訴です。裁判所は「この誓約書ダメよ。禁止の範囲ひろすぎ。公序良俗に反してるよ。無効」と判断(REI元従業員事件:東京地裁 R4.5.13)。 この事件のように、サインしたとしても禁止の範囲が広すぎればその誓約書をオジャンにできる可能性があります。以下、くわしく解説します。(弁護士・林 孝匡)
コロナ禍以前、採用説明会では、会場となる場所を確保して申込者を何回かに分けて開催していた。その場合、事実上の第一次選考も兼ねる企業説明会の募集では、偏差値上位校の大学グループごとに申し込みサイトを優先的にオープンし、時間差を使って絞り込む手段を取る企業があり、こうしたやり口は“学歴フィルター”と呼ばれてきた。 【画像】学歴だけでなく、AO・推薦フィルターも(他3枚) 筆者が以前取材した企業の担当者も、次のように話していた。 「会場のスペースの関係もあり、当社の採用実績校など一定の大学と、そうでない大学に分けて開催しています」 しかし、今はZoomなどのオンライン開催であれば多くの学生が参加できるはずだ。大学フィルターをかける必要はないと思っていたが、実はそうではなかった。 中堅物流会社の人事担当者は「Web説明会でも特定の大学に分けて開催しています。Web説明会でも学生の質問を受けたり、こ
関西の大企業の社員の男が大学生から依頼を受け、企業の採用で実施されたインターネット上での「適性診断テスト」を替え玉受検したとして警視庁に逮捕されました。 こうした“替え玉受検業者”が摘発されるのは全国初です。 捜査関係者によりますと私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで逮捕されたのは、京都大学の大学院を卒業し、関西地方の大企業に勤める大阪市の田中信人容疑者(28)です。 田中容疑者は今年4月、就職活動中の20代の女子大学生から依頼を受け、企業が採用時に実施している「適性診断テスト」のIDとパスワードを受け取り、インターネットから不正にログインし、替え玉受検をした疑いがもたれています。 取り調べに対し、田中容疑者は容疑を認めているということです。 警視庁は女子大学生も22日に書類送検する方針で、事情聴取に対し「自分の力では受からなかったので依頼した」と話しているということです。 「適性診断テス
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