ニュージーランド政府は11日、牛や羊などのげっぷや尿によって温室効果ガスを排出する農家に直接課税する世界初の計画を取りやめると発表した。昨年11月に就任した国民党のラクソン首相は、労働党政権で首相を務めたアーダン氏が打ち出した「たばこ禁止法」や「先住民との水資源共同管理」といった目玉改革の一掃に乗り出している。 課税は2025年中に始まる予定だったが中止する。その代わり、農家や業界団体と連携して新組織を設立し、メタンガス排出を減らす方策を探る。排出削減の新技術開発に4億NZドル(約385億円)を投じる。 22年に課税計画を打ち出した当時のアーダン首相は、ニュージーランド産の乳製品を「気候に優しい製品」としてブランド化し、価格を上乗せできると利点を訴えていた。しかし消費者ではなく、生産者から直接徴収する異例の制度に多くの農家が反発していた。(共同)