重工大手3社が二酸化炭素(CO2)を排出せずに製造する水素のサプライチェーン(供給網)の整備に動きだした。三菱重工業は海外企業への出資を通じて、水素製造のノウハウを取り込む。川崎重工業は再生可能エネルギー由来の液化水素の国内への供給を検討する。IHIも北九州市で再生エネを活用した水素の製造・供給の実証に参画している。水素の普及を支えるインフラをめぐる競争が熱を帯びつつある。(孝志勇輔) 三菱重工は環境負荷の低いエネルギーへの転換を事業戦略として打ち出しており、2020年秋から水素関連の新興企業との関係づくりが目立つ。水の電気分解により水素を製造する装置を展開するノルウェーのハイドロジェンプロ、メタンから水素と固体炭素を取り出す技術を持つ米モノリスにそれぞれ出資した。 自前の技術開発だけでなく、出資を通じて技術を取り入れないと、水素社会を実現しようとする動きの速さに追い付けないためだ。 サプ