鹿児島県警が、刑事事件の裁判のやり直しを求める再審請求などで弁護側に利用されるのを防ぐため、作成済みの捜査書類を速やかに廃棄するよう促す内部向けの文書を作成していた疑いがあることが、関係者への取材で判明した。過去の再審事件では、弁護側の求めで開示された捜査資料で再審開始につながったケースもあり、再審事件に詳しい弁護士は「事実なら、大変な問題だ」と指摘する。 【写真で見る】社会に衝撃を与えた事件 関係者によると、県警が作成して捜査員らに配布した疑いがある文書は、2023年10月2日付の「刑事企画課だより」。24年4月、事件の容疑者や被害者の実名、捜査状況を外部に漏らしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕、その後起訴された曽於(そお)署の巡査長(当時)、藤井光樹被告(49)が流出させた資料の一部とみられるという。インターネットメディアの関係者が県警の内部文書としてサイト上に掲載した