マフィアに憧れる少年 1930 年 11 月 16 日、イタリアシチリア島パレルモ県コルレオーネにサルヴァトーレ・リイナは生まれた。 サルヴァトーレ家の父は小作人。 家庭は貧しく、リイナは物心付いたころから働きに出されていた。 そのため、学校には通えず文字の読み書きすら学べなかった。 また、背が低く、同世代の子供からケンカを売られることも多かったという。 そんな過酷な環境の中で育ったリイナには、ひそかに憧れている人物がいた。 それはイタリアの貧しい家に育ち、マフィア組織を築いた大物ラッキー・ルチアーノ。 リイナも内心はマフィアになりたいと考えていたが、まじめに働くことを美徳としている父は息子が犯罪者になるなど決して許さなかった。 それから13年が経った第二次世界大戦中の1943年。 幼いリイナは父と、7 歳の弟のフランチェスコとともに、不発弾を回収する仕事に出ていた。 不発弾を回収して、金