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作者: 望月 昭秀,小久保拓也,山田 康弘,佐々木 由香,山科 哲,白鳥兄弟,松井 実,金子 昭彦,吉田 泰幸,菅 豊 出版社: 文学通信 発売日: 2023/4/28 今やあまりお目にかかれない書籍が出た。本書は、2021年4月に出版された竹倉史人『土偶を読む』(晶文社)への反論本である。それも、明確な事実と論拠に基づいて真っ向からメッタ斬りにする、恐ろしく肝の据わった一冊だ。 まず、当時の『土偶を読む』現象をおさらいしよう。同書は刊行直後からNHKを中心とする各メディアで注目を集め、SNSでも紹介記事や書評が大きくバズり、脚光を浴びた。人類学者が独自の見識から打ち立てた「土偶の正体は縄文人の食用植物」説をイコノロジー(図像解釈学)で次々に解き明かしていくその内容は劇的かつ鮮やかで、養老孟司氏を始めとする著名人らの好評も後押しし、半年で六刷のベストセラーとなる。 極めつきは第43回サント
前回に引き続いて歴史書ブームを分析しながら、過去に3度、20年ごとに中世史がブームになってきたことの意味を考えます。 ※本記事は、NHK出版より刊行予定のNHKブックス、東島誠『「幕府」とは何か』から、「はじめに」と序章「いま、なぜ中世史ブームなのか、そして、なぜあえて幕府論なのか?」を先出しでお届けするものです。 室町幕府ブーム? 大政奉還百五十周年、明治維新百五十周年の記念行事の一方で、いまふたたび中世史ブームだという。それも、よりによって室町幕府が熱い。呉座勇一『応仁の乱』を機として、いわゆる室町本が飛ぶように売れているとのことだが、ただ、なぜこれだけのブームを呼んでいるのかについて、説得力のある説明を目にすることは、いまだない。呉座自ら譬えるように、応仁の乱と第一次世界大戦に類似点がもし本当にあるのだとしても、大戦の引き金となるサラエヴォ事件から百年に一つ余る年に安保関連法を通過さ
コーディネータ:羽田 正 ナビゲータ:後藤 春美 皆さんの多くは、高等学校で「世界史」を学習したはずです。大学入試の科目として「世界史」を選択した人も多いでしょう。ですから、ちょうど数学の定理や物理の法則のように、高校生が世界中で同じ世界史を学んでいるのだと信じているのではないでしょうか。しかし、実はそうではありません。 世界史という名前の科目は、日本や中国など東アジア諸国に特徴的にみられ、欧米や中東などでは単に「歴史」と呼ばれる科目しかありません。また、大筋は同じだとしても、国によって、教科書の内容は微妙に異なっています。世界史は、決して一つではないのです。なぜでしょう。 世界史の理解は、自分たちの生きる世界をどう認識するかということ、すなわち世界観と深くかかわっているからです。現代世界でも、人々の世界観は同じではありません。まして、過去においては、地域や時代によって様々な世界観があり、
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※この記事はあくまで一国立大学の一学生から見た感想にすぎません。私が見聞きし、実感として感じたものは全体のごく一部分にすぎないことをご了承ください。 ~あらすじ~ 来年度から始まる授業料免除新制度は、「同世代で働いている人が大多数だから」という理由で大学院が対象外! 文科省サマへの「研究を何だと思っているんだ」という批判が燃え広がる昨今。絶対教育滅ぼすマンと名高い文科省サマの鶴の一声に逆らえず、大学生もまた、末端の末端で口に辛酸を注ぎ込まれているのであった! ◎学費が安いからお金もない? 遡ること二年前。当時十八歳だった私は、家の経済的な理由もあり、ある国立大学を受験しました。私の実力からは少し背伸びが必要だったものの、結果としては合格最低点+1点での奇跡的な合格でした。私は大いに喜び、胸に希望と期待とを抱いて大学生活をスタートさせました。自分の興味のある分野に関して深い知識を学べることが
「歴史社会学」という学問をご存知ですか? 「歴史学? 社会学? いったいどっちなの?」と疑問に思う方も少なくないかもしれません。今回の「高校生のための教養入門」は社会学者の石原俊先生に、ご専門である歴史社会学についてお話を伺いました。なんだか難しそうな雰囲気の漂う「歴史社会学」。石原先生が歴史社会学にのめり込むきっかけとなったのは、かつては忘れられていたという、ある「島」との出会いでした。(聞き手/金子昂、構成/倉住亮多) ―― 歴史社会学とはどんな学問なのでしょうか? 歴史社会学は、社会学のおおもとになる分野だと私は思っています。社会学の歴史は、だいたい150年程度しかありません。政治経済学や歴史学などに続くかたちで19世紀に社会学が誕生しました。社会学は、いわゆる「近代」と呼ばれる社会を、自己反省的に見る学問として誕生したと私は考えています。 日本の学校における歴史の学習は、基本的にた
平成31年度東京大学学部入学式 祝辞 ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。 女子学生の置かれている現実 その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査を実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生の合格率に対する男子学生の合格率は平均1.2倍と出ました。問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大、慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやすい大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平
酔翁 @kanbunyomi 出土文献では医書はどんな具合なんだろう! (と書いておけばゴシックロリータうさぎたんが助けてくださるに違いない 2018-05-19 01:24:53
日本学術振興会が研究者を助成する「科学研究費助成事業(科研費)」をめぐり、大論争となっている。ネット上で「反日的な研究に使われている」「韓国旅行に使われた」と批判する声が出る一方、「学問の自由を否定する」との反論もある。 科研費は同振興会が研究者から公募し、文部科学省が審査する仕組みだ。その費用の99%以上は税金で賄われている。 この制度については、保守系の論客がネット上で告発を始めたのをきっかけに議論が噴出した。 自民党の杉田水脈衆院議員は、安倍晋三政権への批判を繰り広げる法政大の山口二郎教授が「6億円弱もの科研費を受け取っている」と指摘した。これに対し、山口氏は4月29日付の東京新聞で「政権に批判的な学者の言論を威圧、抑圧することは学問の自由の否定である」と応戦した。 科研費については研究者からも疑問の声が出ている。福井県立大の島田洋一教授は「拉致問題の研究で申請したが、審査に落ちた。
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