「市役所の裏で職員がたばこを吸っていて、通るたびに嫌な気持ちになる」。広島県廿日市市の40代女性から無料通信アプリLINE(ライン)でメッセージが寄せられた。廿日市市役所の敷地内は全面禁煙だが、敷地外のすぐ横の通路が喫煙者のたまり場になっているそうだ。調べると、受動喫煙対策が裏目に出ている一面も垣間見えた。 【一覧】広島県内の市町庁舎の禁煙状況 平日の昼下がり。記者がその通路の様子をうかがうと、数人の職員がたばこを吸っており、辺りには紫煙が漂っていた。50代の男性職員は「吸える場所を探していたらここに行き着いた」と気まずそうに打ち明けた。 行政機関の敷地内は、2019年7月の改正健康増進法により原則禁煙となった。廿日市市はそれより前の同年4月、市営住宅などを除く市有施設の敷地に灰皿の設置を認めない条例を施行。地元の佐伯地区医師会の要望を受け、他の市町よりも受動喫煙対策に力を入れてきた経緯が