1月末の東京では,お茶の水橋で都電のレールが発掘されたと話題になった. お茶の水橋とは,JR東日本の中央本線御茶ノ水駅と地下鉄丸ノ内線の御茶ノ水駅に隣接する鋼橋で,“いつもの”土木学会“歴史的鋼橋集覧”によれば,昭和6/1931年の横河橋梁製だそうである.長さは80メートル,幅22メートルであり括弧で“複線軌道併設”と付記されている. この“複線軌道”とは,いうまでもなく東京都電…東京市電の軌道である.水道橋から松住町を経て万世橋に到る路線の途中,お茶の水で分岐して駿河台下から錦町へ到る路線のものだった. もとはお茶の水橋の南詰めまでだったが,明治38/1905年に橋を渡って神田川沿いの路線と接続したのである.第2次世界大戦中の昭和19/1944年に他の8路線とともに不急路線として休止の憂目に遭って戦後も復活せず,昭和24/1949年に廃止された……. それが今回“発掘:されたということな