「チャット」(chat)とは「おしゃべりをする」意味なので,ある種の語義矛盾なのだが,それでもチャットと聞くと,ほとんどの人がキーボートを利用した「テキストチャット」を思い浮かべると思う。電話のように音声を使う「ボイスチャット」という方法自体は,かなり古くから存在しているが,これはFPSやRTSのチーム戦を本気でやっているような人達“専用”。移動の手を休めて「左手に回り込んで援護頼む」などと打ち込んでいては,とてもゲームにならない人達だけが利用するものだった。 その理由は明確で,RPG系のオンラインゲームにおいては,そこまでのスピードが求められなかったからだ。入力の手間を省略するため,「plz」「AFK」などといった特殊な略語が生み出されはしたが,ゲーム中にキーボードで文字を打つだけの余裕は,十分に残されていた。だから,オンラインゲームのヘビープレイヤーを自認する人の中にも,ボイスチャット