先史時代に行われていた食人は、純粋に「栄養をとる」という性質のものではなかった可能性を示唆するツールを紹介した論文が、今週掲載される。このツールとは、人体の各部位のカロリー価の代理指標が記載されたテンプレートのことであり、先史時代の食人が、他の動物の肉を摂取する場合と比較して、食事としてどれほどの価値を有していたのかを判断するために利用できると考えられている。 今回、James Coleは、4人の男性の化学組成分析によって得た身体各部の平均重量とカロリー価(脂肪とタンパク質)を総合して人体の栄養テンプレートを構築した。しかし、こうして得られたデータは現代人に関するものであり、ヒト(Homo sapiens)以外のヒト族種においてどの程度異なるのかは明らかでない。Coleは、ネアンデルタール人の骨格筋の筋肉量が多いため、そのカロリー価もテンプレートの値より高かった可能性があり、ヒト以外のヒト