筆者であるケイ・ジャミソンは名門ジョンズ・ホプキンズ大学医学部精神科教授なのだが、なんと彼女はバリバリの躁うつ病当事者である。 この本は精神領域の専門家が躁うつ病の当事者である自分自身の事を書く、という非常にユニークなものだ。 読み進める事で躁うつという病がどのようなものなのかを追体験する事ができるようになっている。 本書の最大の魅力は綴られる文面の美しさにある。 よくもまあ、こんなにも美しい文章が書けるもんだと感嘆してしまうほどにケイ・ジャミンソンの書く文章は美で満ち溢れている。 これは本人に芸術的な素養があるという事も勿論あるだろうが、それ以上に躁うつ病という病の影響が強そうだ。 ケイ・ジャミンソン本人も躁うつ病と自分の創造性に強い相関関係があるという自覚があるようで、特に躁状態に関する記述が実に凄い。 「こんなに凄い世界の見方が人間にできるんだ」と感心してしまう。 ひょっとしたら…あ