どんなに長いセリフでも、わかりやすくコンパクトに、かつ、印象的な日本語で表現する字幕翻訳。「字幕は1秒4文字」のルールを決めた字幕翻訳家の菊地浩司さんから、情報との向き合い方を学ぶ。 博学な人は、知識の深掘りをどこで「もう十分」と判断しているのか。事業を畳んだ起業家は、どこで「やめる」決断をしたのか。冒険家は、どんな状況で進むことをやめ、撤退するのか。そこには、前に進むための「切り捨て力」とも言えるノウハウがあるのではないか。 「スタンド・バイ・ミー」「オーシャンズ11」「セブン」「スパイダーマン」「ゴッドファーザー」「ウエスト・サイド物語」「ワイルド・スピード」など、誰もが聞いたことがあるようなビッグタイトルの字幕翻訳を担当しているのが、ACクリエイトの菊地浩司さんだ。今の映画字幕の翻訳業界を牽引してきた菊地さんは「字幕は1秒4文字」というルールをつくった人でもある。 映画に含まれる膨大