◇高まる連発リスク 「地震保険制度の最大の問題は、大地震が連続的に発生した場合に極めて脆弱(ぜいじゃく)ということ。1回なら損保会社の経営に大きな影響はないが、2回目、3回目となると、経営の根幹に関わる問題にならざるを得ない」 東日本大震災発生直前の3月8日、東京・霞が関の財務省。地震保険のあり方を検討する作業部会で、専門家は巨大地震が連続発生した場合のリスクを指摘した。 実際、東日本大震災後に支払われた保険金は既に1兆円を超えたが、震災発生時点で国や損保会社が積み立てていた支払いの準備金は約2兆3000億円。短期間に巨大地震が連続して起きた場合、準備金が不足し、損保会社の重荷となる恐れが浮かんだ。 こうした巨大地震の連続発生を懸念する声が今、地震の専門家から上がっている。 「地震は“かため打ち”することがある。東日本大震災に誘発された震災が続く可能性が十分に考えられる」。島崎邦彦・東京大