ごみがあふれ、足の踏み場もないマンションの一室。そんな「ごみマンション」を片付けてほしいという依頼が増えている。意外なことに依頼主の多くはバリバリ働く現役世代。大手メーカーの30代のサラリーマン、看護部長を務める40代の看護師など、外では普通に見える人たちだ。仕事のストレス、介護の負担、病気やケガ…。背景を探ると、誰もが「ごみマンション」に陥りかねない現代社会の断面が見えてきた。専門家が指摘するのは「新たな孤立」。高齢者の「ごみ屋敷」と違って、現役世代のごみマンションは気付かれにくいという特徴もある。あなたの隣の部屋も、ひょっとしたら…。 きれいだった部屋は、こうして「ごみマンション」になっていった 大手メーカーに勤める30代の田中秀樹さん(仮名)は、有名国立大学出身で独身。職場では、経営方針を策定する中枢の部署で係長を務めている。ところが自宅は「ごみマンション」になっていた。 玄関の床は