菅義偉官房長官は10日の記者会見で、アジア諸国に対する「植民地支配と侵略」について反省とおわびを表明した村山談話について「安倍内閣として侵略の事実を否定したことは今まで一度もない。(談話)全体を歴代内閣と同じように引き継ぐ」と述べた。 ただ、菅氏は同日の衆院内閣委員会で「談話にある『侵略』『植民地支配』という言葉も受け継いでいるのか」と問われても「歴代内閣の立場を引き継ぐ」と述べるにとどめ、侵略や植民地支配への認識について踏み込んだ発言を避けた。 「安倍内閣として村山談話をそのまま継承しているわけではない」とする安倍晋三首相の歴史認識には、米国内にも懸念が広がっており、菅氏の発言は、首相の発言内容との整合性も踏まえつつ、沈静化を図る狙いがあるとみられる。 関連記事米議会、首相の歴史認識に懸念「侵略否定する見方持つ」(5/9)河野談話見直し発言を否定 官房長官(5/8)首相「侵略の定義定