バンコクに古くからある中華街「ヤワラー」周辺の様子=2024年2月21日午前10時37分、石山絵歩撮影 「中国にいる私は、まるで森の中の魚のようだった。水を見つけなければならない」 2022年からタイの首都バンコクで暮らす飛魚さん(35)=仮名=に移住の理由を問うと、少し間を置いて、こんな答えが返ってきた。 飛魚さんは実名を出すのを嫌がった。自身の発言が、政府批判と捉えられるのを恐れていた。それでも、眼鏡の奥の目はまっすぐに記者を見て、詩のような言い回しで心境を表現した。 <主な内容> ・「タイ移民」がトレンドワードに ・中国から「脱出」するわけ ・日本へ移住する人との違いは? 飛魚さんは中国東北部の遼寧省出身。短大を卒業した後、中学生向けの個人塾を開いた。塾には常時10~20人の生徒がいた。中国で将来を占う第一関門と言われる公立高校の入試「中考」に特化した指導ではなく「漢詩の奥深さを伝え
水素自動車の普及に中国が本腰を入れ始めた。 その背景には、太陽光発電など再生可能エネルギーの普及が進んできたことがある。発電量が自然条件に左右されやすい再生可能エネルギーの弱点を補うため、発電した電気を水素に変えて貯蔵する。その手法の有効性が認知されてきたことで、再生可能エネルギー利用の「出口」としての水素自動車の存在感が高まってきた。 政府の後押しを受け、中国各地では商用車を中心に水素自動車の関連産業が続々と立ち上がり始めている。個々の技術レベルでは先進諸国とは差があるとされるが、国内市場の大きさを背景に、さまざまな企業が果敢に新製品を開発し、市場が急拡大する中国的「野蛮な成長」のパワーはEVでも実証済みだ。 中国の自動車関連SNSでは昨今、「EV派」と「水素派」がクルマの将来像をめぐって激論を闘わせている。中国社会の水素自動車に対する視線は大きく転換しつつある。 今回はそんな話をしたい
ロシアでは過去は過去にならない。というのはロシアは共同体型、ゲマインシャフト型の社会であり、大きな家族だからである(ゲマインシャフトとははじめに全体があり、個々の成員はその中に埋め込まれている組織のことである。村落共同体が典型である。対概念はゲゼルシャフトである。こちらは個々の人間がはじめにあって、彼らがある目的のために集まり、それぞれの機能を分担して、全体を形成するのである。ゲマインシャフトは村落共同体、ゲゼルシャフトは会社が典型的な事例となる)。家族の個々の成員は年老い、交替するが、有機体としての家族は半永久的に続く。 これだけであれば、大家族としてのゲマインシャフトは血族共同体としてのネイションと同じということになる。となると、ロシア(前者)とドイツ(後者)の違いもないという話になる。しかし、ロシア的家族は家父長制的であって、家長が全てを所有する。これに対して血族共同体としてのネイシ
米バイデン政権は、Huaweiに対する半導体の輸出許可を取り消す決断を下した。これに対し中国は強く反発。米中の分断はさらに深まると予測される。 米バイデン政権は2024年5月、Huaweiに対する半導体の輸出販売ライセンスを取り消す決断を下した。これにより、現在米国と中国の間で繰り広げられている技術戦争はさらに激化するとみられている。この動きはHuawei製のノートPCとスマートフォンに使用される半導体を対象にしたもので、Huaweiのサプライチェーンを混乱させている一方、中国の技術面の野望に関する懸念を再燃させている。 2019年から米国による貿易制限下にあるHuaweiは、IntelやQualcommといった米半導体メーカーから輸入する半導体に依存している。 ライセンスの取り消しによって、Huaweiのサプライチェーンは事実上断ち切られており、同社の新型ノートPCやスマートフォンの生産
民進党・蓮舫代表の国籍をめぐる問題が再び注目を集めている。そもそも「二重国籍」であることは問題なのか? そして、蓮舫代表が国籍資料を公表することにどういった影響があるのか。中央大学法科大学院教授・奥田安弘氏が解説する。2017年7月13日放送TBSラジオ荻上チキ・Session-22「民進党・蓮舫代表の『二重国籍』は問題なし。説明責任は法務省にあり」(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ Session-22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホームページはこちら →https://ww
中国政府は7月に北京で開催される中国共産党の「中央委員会第3回全体会議(3中全会)」を待たずに、今なお続く不動産危機の最新の対策を発表した。 今回の対策はこれまでの試みをはるかに超える内容だ。そうした意味では実に歓迎すべき動きだ。2021年に不動産危機が始まって以来、政府はほぼ無為無策だった。だが今回の対策がこれまでの措置を上回るものだとしても、その規模はニーズに対してあまりに小さく、さらには不動産部門に新たなリスクを持たらす。経済問題の解決に向けて中国が歩む道のりは長い。 最新策では中国政府は約1兆元(約21兆5800億円)の超長期特別国債を発行する計画だ。地方政府が全国各地で売れ残っているアパートなどの住宅を購入する資金となる。そして地方政府が購入した住宅は低・中所得者向けの手頃な住宅として活用される。これらの住宅の購入を促進するため、頭金の最低額と個人向けのローン金利を引き下げる。
中国共産党の中央政治局会議は、同国の経済問題に対処するための新しい、より効果的な政策を打ち出すとされていた。しかし、政治局会議で見られたのは、これまでほとんど効果がなかった既存政策の焼き直しばかりだった。 確かに会議後に不動産購入政策が発表されたが、その規模は必要性に比べて小さい。党の指導者たちは7月の「三中全会」(第20期中央委員会第3回総会)で強力な政策を発表すると示唆したが、これまでの中国の指導部の行動を考えると、それは期待薄だ。新しいアパート購入政策を考慮しても、中国政府の行動は慎重すぎるため、中国の深刻な経済問題に対する解決策を見つけられないことを示唆している 一方、中国経済は低迷を続けている。年初には経済活動の回復の兆しが見られたが、最近のデータはその希望を打ち消している。購買担当者の調査によると、経済活動は再び減速し、成長と減少の間で停滞している。2023年の明確な減少からは
非対称情報のもたらす影響を探求し、2001年にノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ。 【動画で見る】ノーベル経済学者スティグリッツによる「日本への提言」 米国で4月に新著『自由への道─経済学と良い社会』(未邦訳)を出版し、現在の米国の経済システムと、それを生んだ政治イデオロギーを分析した。米国はどう間違えたのか、英紙「フィナンシャル・タイムズ」が聞いた。 ついに時代が追いついたジョセフ・スティグリッツから話を聞く前に、彼のチームの一員から、何を質問しようとしているのか聞かれた。ノーベル経済学賞受賞者は、準備を大切にしているのだ。スティグリッツの批評家たちは、「過去30年間、何を準備してきたのか」と笑うかもしれない。彼は自由市場について左翼的に批判してきたが、それはいまでは自然なものになったのだろうか。 スティグリッツは、1995~97年にビル・クリントン政権下の大統領経済諮問
100年以上前から日本で生活する「外国人」の「在日華僑5世」100年以上前に日本に渡ってきた中国人や台湾人の子孫で、中華民国国籍、中華人民共和国国籍を持ちながら、日本に定着して暮らしている人々を「在日華僑5世」と呼ぶ。日本や台湾をはじめとする東アジア諸国の国籍法は、親の国籍を継承する血統主義を採用しているため、100年にもわたって代々住み続けても、先祖の祖国の国籍のままという事態が生じる。 同郷のものが肩を寄せ合い、助け合って暮らしていた在日1世、2世の時代は、当然のことながら同じ国籍同士で結婚することが多かった。その後、日本社会に定着するにつれて日本人と結婚するケースも増えたが、1985年以前の日本は父系血統主義を採っていたため、母親が日本人の場合には日本国籍を取得することはできなかった。日本で生まれ、当たり前のように日本語を使い、中国に一度も住んだことがなくても、日本国籍ではない。国籍
現在は金沢大学で教鞭をとられているらしい工藤文による博士論文をもとにした『中国の新聞管理制度』についてちょっと触れてみよう(旧Twitterだけでもいい気もしたが、字数が…)。 (何年もかけて書かれただろう論文に対して素人が斜め読みで言うことか、と思われるかも知れないが)結論から言って、この本に関しては「問いの設定の筋があまりよろしくないために、その後の答えの意味があまりなくなってしまっている」というのが大まかな読書感想文となる。 本書の問いはオビにあるように「市場経済が進んだ中国で、なぜ商業紙は政府や共産党を支持し続けるのか。検閲だけでは説明できない、複雑な仕組みを解き明かす」または冒頭の「なぜ中国では、メディアの自由化が進まないのか」となろう。ただ中国のメディアに少しでも関わっていれば商業紙が党・政府のコントロールを受ける報業集団の一部であることは知っている。進んだのは商業化であり、経
本書は、中国人の制度派経済学者が現状を分析しつつ、市場改革論を展開した論を集めた論文集だ。市場改革論というと西側諸国に見られる新自由主義を連想しがちだが、それとは異なる。そもそも、考察対象が社会主義経済だからだ。そして、「漸進主義的」といわれた中国の改革が、所有権の改革を伴いながら行われていった様子が具体的に描かれている。これまで、漸進主義的改革と言われる中身がはっきりしなかったのが、明確になる。 改革はまず、農村・農業から起こった。人民公社方式を止め、農業経営請負制に変更し、納税後の余剰物は農家の所得とした。農地も、農家の使用権が認められ、さらに譲渡可能にもなった。これにより農家のインセンティブは高まり生産性は向上した。ここでは所有権の再定義という制度改革と経営請負制という経営改革が同時に行われている。 商工業の発達は、これとは少し異なった方式で行われた。まず、従業員を雇うことが合法とな
講談社学術文庫からフランスの社会主義者、アナーキズムの父と呼ばれるプルードンの『所有とは何か』の新訳が出版されたと聞いたので検索したところ、同名の本書『所有とは何か』を発見し、購入した。本書は6章構成で、それぞれ異なる筆者が担当している。 Ⅰ.所有を肯定するのか否定するのか 本書の「あとがき」に、「所有は、私たちの人生の実存的な部分と深くかかわっている(p.344)」とか、「所有するということは、ひとが生きるということそのものなのだ(p.345)」とあるので、本書は所有を肯定しているように見える。その一方、2章「手放すことで自己を打ち立てる」は、禅の「放下:(すべてを投げ捨ててしまえ)ほどの意味」のように所有することを否定しているように思える。いったい本書の編集方針はどちらなのだろう。 1章「所有と規範―戦後沖縄の社会変動と所有権の再編」 沖縄は戦中・戦後の苦難の歴史がある。その中で守って
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
www.nytimes.com 一部の AI 企業が「オープンソース」の看板をユルユルに使っていることに対する批判を取り上げた記事だが、まさにワタシが WirelessWire News 連載やこのブログで以前に取り上げた問題ですね。 オープンソース AI の支持者たちは、その方が社会にとってより公平で安全だと言うが、一方で反対者たちは悪意をもって悪用される可能性が高いと言う。この議論にはひとつ大きな問題がある。オープンソース AI が正味のところ何なのか合意された定義が存在しないのだ。それに AI 企業を――「オープンソース」という言葉を使って自分たちを不誠実にもよく見せようとする――「オープンウォッシング(openwashing)」と非難する声もある(オープンウォッシングという非難は、オープンソースの看板をあまりにも緩く使ったコーディングプロジェクトに向けられたことがある)。 ようやく
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
「傍からみれば、『社会学者が今度は銀英伝にいちゃもんをつけてきた』という構図だったはずです」 当時、法政大学社会学部教授だった津田正太郎さんはなぜ『銀河英雄伝説』のアニメについてつぶやいただけで炎上してしまったのか? その経緯を新刊『ネットはなぜいつも揉めているのか』(筑摩書房)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ 私の炎上体験 2020年9月11日午前11時41分、いつものようにカフェで仕事をしていた私は、ふと思いついて次のような連続ツイートをしました。 ◆ 銀河英雄伝説のリメイク。三期以降も続くのかな。もしそうなら、男女役割分業の描き方は変更せざるをえない気がする。旧アニメのままだと、さすがに時代にそぐわない。作品として大変に面白いのは踏まえたうえで。…なんてことを書いたら炎上するかな。実際のところ、昔のドラマやアニメをみていると、価値観の変化がもっとも顕
中国の昨年2023年の出生人口は902万人。今世紀以降のピークだった2016年の1786万人から、わずか7年間で約半分に減った。 この事実が与える影響は甚大だ。中国社会ではこれから数十年かけて幼稚園から小・中学校、高校・大学への進学、新卒就職、結婚・出産など、人の生活にかかわる、さまざまなイベントが順番に「7年で半分」のペースで縮小していくことになる。 出生数急減の背景には、出産や子育て、進学などの費用の高さに加え、子供を育てやすい社会・労働環境の不足などの問題がある。しかし、それ以上に大きいのは、政府の人口政策に対する庶民の不信感だ。ついこの間まで非人道的と思われるまでの措置を講じて子供の数を減らしてきたのに、いつの間にか「出生数の減少は国家的危機」と、多産奨励の方向に転じた。国策としての「計画生育」は破綻したのに、政策の過ちを認める様子もない。過去に泣く泣く出産を断念した親たちの思いは
ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?~進化の仕組みを基礎から学ぶ~ (光文社新書) 作者:河田 雅圭光文社Amazon 本書は進化生物学者河田雅圭による進化の一般向けの解説書になる.河田は新進気鋭の学者であった1990年に「はじめての進化論」を書いている.当時は行動生態学が日本に導入された直後であり,新しい学問を世に知らしめようという意欲にあふれ,かつコンパクトにまとまった良い入門書だった.そして東北大学を定年退官して執筆時間がとれるようになり,その後の30年以上の学問の進展を踏まえ,改めて一般向けの進化の解説書を書いたということになる.ダーウィンの議論の今日的当否を問うような印象の題名だが,それは本書の極く一部の内容で,基本的にはいくつかの誤解が生じやすいトピックを扱いつつ進化とは何かを解説する書物になっている. 第1章 進化とは何か 1.1 そもそも進化とはなんだろうか? 第1章第
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く