ルワンダ虐殺から20年以上経った今でも、ルワンダ共和国は壮絶な暴力の記憶に取り憑かれている。法廷では加害者たちの裁判が続けられ、激動の時代に生まれた英雄譚が次々に登場している。 「魔術」で100名以上の命を救った、ズラ・カルヒムビ(Zula Karuhimbi)という女性がいる。 カルヒムビがルハンゴ郡(Ruhango District)で暮していると知り、彼女に会うために首都キガリから車で向かった。道中、立ち寄ったレストランのウェイターに、虐殺の期間に100名以上の命を救った「魔女」を探している、と伝えると、ある男性客が「政府に表彰された魔女のことか? 住んでいる場所を知っているから案内するよ」と名乗り出た。 彼に連れられムサモ村(Musamo Village)にやってきた。そこで車を乗り捨て、腰の高さまである草をかき分けながら歩いていくと、しばらくして庭の囲いに突き当たった。そこで、家