前回のメールマガジンで南京事件否認論について書いたところ、感想のメールをいただきました。南京事件の実在に対して否定的なご意見でした。私信であり、ちょっと公開して良いものかどうかわからないので、引用は控えますが、要点は「南京事件は一次資料が少ないから信用できない」ということだと思います。 ぼくは南京事件について議論するつもりはありませんが、以下、簡単にこれに反論してみたいと思います。というかまあね、南京事件を証明する一次資料は普通にあるよ、って話なんですが。 たとえば、ぼくの手元にある『南京事件資料集』。二冊組の分厚い本なのですが、ここに収録されているのはほとんどが南京事件の一次資料です。「1 アメリカ関係資料編」、「2 中国関係資料編」と分かれていますが、いずれにしろ南京事件の実在を示していることに変わりはありません。 というか、この資料集を読んでいると「実在したか、しないか」などというレ
隣の部署の人が、金傭を読んだことがないといったら、それは人生を損している!と叫ばれてしまった。 「同時に読むと・・・ - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために」 大いに損しています(キッパリ)。 前々からいっているんだけれど、ぼくは金庸こそ二十世紀アジア最大の物語作家だと思っている。もちろん、アジア全域の物語を読みつくしたわけでも何でもないんだけれど、でも、色々と仄聞する情報をもとに考えると、そうとしか思えないんだよね。 この比類ない大作家が、日本ではいまひとつ知名度が低いことはざんねんでなりません。もっと金庸に光を! もちろん知っているひとは知っているんだけれど、知らないひとは知らないからなあ。 くわしくは以前、「金庸の世界へようこそ。」という長い記事を書いたのでそちらを読んでほしいのですが、いや、すごいよ、おもしろいよ、金庸。 司馬遼太郎とか山田風太郎とか田中芳樹とか栗本薫とか
見て来た見て来た見て来たよ! 『時をかける少女』に続く細田守監督最新作、その名も『サマーウォーズ』、ぼくにしてはめずらしく初日に見に行ってまいりました。 『時かけ』の監督の新作ということで、ネットでもそれなりに注目され、期待されていると思う。じっさいに出来上がった作品は、これがもう、その期待に違わぬ出来。この夏必見の娯楽大作である。 まだ『ヱヴァ:破』のリピート鑑賞をくり返している人も、その回数を一回減らしてこちらを見るべき。決して損はさせません。 物語の始まりは、と、この場合は細々と書くよりじっさいに見てもらった方が早い。ネットに上げられているオープニング映像を見てください。 見た? 続く本編では、このバイトの中身が明かされる。この美人の先輩のフィアンセのふりをして、長野の田舎、陣内家に乗り込んでほしいというのだ。 からだが弱った曾祖母を元気付けたいのだと。健二は必死でその大役をつとめる
「唐沢俊一検証blog」に衝撃的な記事が挙がっている。 1年ほど前、伊藤剛さん(id:goito-mineral)のブログに登場し、誹謗中傷をくり返したmindy9なる人物が、本人が名のった通り、と学会の眠田直その人であったことが確認されたというのだ。 ソースはと学会のメーリングリスト。いまのところ、それ自体が偽物という可能性もあるものの、仮にこの話が本当だとすると、世間的に名の通った人物が公然と子供じみた悪口をばら撒いたことになるわけで、ちょっと信じられない話である。 さらに信じがたいのは、山本弘会長がしたとされる対応。 あ、あかん、こいつほんまにバカや(^^;) 「バカ」と言われただけで、いちいち「発信者の確認」って……そこまで過剰反応するかー。 眠田さんもこれ以上、煽らないように。 また訴訟沙汰とかになったら面倒ですから。 ぼくはもともとと学会に対しては好意的ではないのだが、この発言
7月11日のネットラジオ、無事放送終了できました。 海燕さん、お疲れ様でした。 聞いていただいた皆さんありがとうございました。 (中略) 個人的には、コードギアスのユフィについて肯定的に語ることが出来たのが嬉しかったです。 「ネットラジオ録音データなど - kande-takumaの別所」 一昨日のラジオはけっきょく8時間も放送してしまったんだけれど、そのなかで最も詳しく語らせてもらったのが、『コードギアス』のヒロイン、ユフィことユーフェミア・リ・ブリタニアでした。 ネタバレになりますが、この人物は物語の中盤で悲劇の死を遂げます。そして、かんでさんとは、なぜユフィが死ななければならなかったのか、ということを話したのでした。 で、結論としては、物語のなかに役割を見出すことができなかったキャラクターは、物語のなかからはじき出されてしまう、という話が出たんですね。 リアルの人間は特別何の理由もな
藤子不二雄の名作『エスパー魔美』に、芸術と批評の関係を扱った「くたばれ評論家」という有名なエピソードがある。 主人公、魔美の父親は画家なのだが、あるとき、某評論家から手ひどい批判を受け、怒る。その姿を目にした魔美は超能力を使ってその評論家にいたずらするのだが、父は喜ぶかと思いきや、諄々と魔美を諭すのだった。 「公表された作品については、みる人ぜんぶが自由に批評する権利をもつ。どんなにこきおろされても、さまたげることはできないんだ。それがいやなら、だれにもみせないことだ」 魔美が、でも、さっきは怒っていた癖に、というと、父はこう答える。 「剣鋭介に批評の権利があれば、ぼくにだっておこる権利がある!! あいつはけなした! ぼくはおこった! それでこの一件はおしまい!!」 芸術家の矜持を見事に描き出した名エピソードである。であるのだが、もしかしたら既に通用しなくなっている考え方かもしれない、とも
西の空に月が仄かに白くなりつつある頃、「カタハネ」と題されたその物語を終えた。 ぼくはとうに冷めてしまった珈琲を啜りながら、一人、小さく手を叩いた。拍手するに値する作品だ、そう感じた。 初めはそれほどの出来とは思わず、他愛ないファンタジィに過ぎないと考えていた。しかし、どうやらそれは誤りだったようだ。 その証拠に、物語が終わり、スタッフロールが流れた始めたその瞬間、切ないような余韻が胸を満たした。最も優れた物語が幕を閉じるときだけに感じる、曰くいいがたい想い。 そのふしぎな余韻は、夜明けが都市を明るく染めても、日没が世界を暗く閉ざしても、去ることはなかった。そして一日。ぼくはようやくその想いから醒め、この文章を綴っている。あなたに、この作品のことを伝えるために。 さて、どこから語りはじめたものだろう。物語の初めからか? 背景を成す世界の在りようからか? 否、つくり手の工夫に敬意を表して、話
豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA) 作者: 栗本薫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1979/09/29メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 66回この商品を含むブログ (98件) を見る 無理。 と、書きはじめる前からあきらめてしまいそうなめちゃくちゃな企画ですが、一応、チャレンジしてみようと思います。 「10分でわかる『グイン・サーガ』」。作家栗本薫の代表作、ライフワークにして、個人で執筆されたものとして世界一長いといわれる大長編小説『グイン・サーガ』、そのめくるめく世界をわかりやすく解説してみようという記事です。 以前、「10分でわかる『銀英伝』」という、これもかなり無理がある記事を書いたことがあるのですが、『銀英伝』は正編10巻、外伝4巻で完結しているのに対し、『グイン』の分量はその10倍以上、しかもなお続刊しています。とても十行二十行でまとめられるよう
ペルソナ4 出版社/メーカー: アトラス発売日: 2008/07/10メディア: Video Game購入: 16人 クリック: 246回この商品を含むブログ (428件) を見る 昨日も書いたように、アトラスの『ペルソナ4』をクリアした。すでに各所で記されている通り、『ペルソナ』の名に恥じない傑作だ。 いや、はまった、はまった。十日間のあいだ、ほぼぶっ通しでプレイしてしまった。寝ても覚めてもペルソナな日々、それはもう楽しかった。RPG好きで未プレイの方には自信をもってお奨めしたい。 さて、このゲームにかんしては以下の記事が有名である。今回は『P4』とこの記事を肴にして「リア充」という概念について語ってみたい。 ということで、「リア充」とは、たとえば彼女や彼氏がいたり、友達が多かったり、学生であればサークル活動やバイトに勤しみ輝ける青春を送っているという、僕から見れば羨ましすぎて万死に値す
今回の枕は以下の記事。 たくさんない! たくさんないよ! わりと気合入れて1年半ぐらいARIAで活動してましたからそれなりにしっかり観察できていると思いますけど割合的にはものごっつ少ないですよARIA! 「全体を見ないで一部分に突っ込み」 『ARIA』のエロパロ同人誌はたいへん少ないという話。少ないというか、皆無に近いらしい。おもしろいなあ。作品が『ARIA』というところがおもしろい。 ARIA (1) (BLADE COMICS) 作者: 天野こずえ出版社/メーカー: マッグガーデン発売日: 2002/10/01メディア: コミック購入: 8人 クリック: 198回この商品を含むブログ (326件) を見る このサイトでは、上記の記事を受けて、このように書いています。 そういうのを踏まえた上で、前のエントリーにいただいたコメントを読んでいたら、またおもしろくてですね。匿名の方からいただい
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おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154) 作者: 後藤和智出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/09/10メディア: 新書購入: 9人 クリック: 334回この商品を含むブログ (74件) を見る とんでもない本である。いや、これはすごい。読んでいて思わず笑い出してしまった。 後藤はこの本のなかで、現代を代表する若者論の論客を片っ端からつかまえ、まとめてなで斬りにしている。 その面子たるや、宮台真司、香山リカ、荷宮和子、三浦展、東浩紀、鈴木謙介、寺脇研、宇野常寛、と大物ばかり(宇野さんはちがうかもしれないけれど)。 ある時代に一世を風靡した論客が、次の時代には批判を浴びる。よくあることではある。しかし、ここまで大勢の書き手がいちどに否定される光景はなかなか見れるものではない。 論客たちの業績をひと言ふた言で否定しさるその舌鋒はめっぽう鋭く、そ
闇の公子 (ハヤカワ文庫FT) 作者: タニス・リー,浅羽莢子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/09/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 25回この商品を含むブログ (29件) を見る ある夜、闇の公子のひとりである妖魔の王アズュラーンは、興に任せて大いなる黒鷲の姿をとった。巨大な翼を羽搏いて東へ西へと飛翔した。北へ南へ、世界の四隅へ。その頃、世界は平らかで、混沌の海に浮かんでいたのだ。 目くるめくアラビア夜話の迷宮へようこそ。 本書『闇の公子』は英国の天才幻想作家タニス・リーの代表作『平たい地球』の劈頭を飾る名作である。 初版が発行されてから実に四半世紀、今日、こうして復刊されることになった。二〇世紀の幻想小説を代表するこの傑作がこうして市場に戻ってきたことを祝したい。 名作といい、傑作といった。しかし、そのような凡庸な表現ではこの小説を表現しきれないだろう。本書
ディバイデッド・フロント〈1〉隔離戦区の空の下 (角川スニーカー文庫) 作者: 高瀬彼方,山田秀樹出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/05メディア: 文庫 クリック: 43回この商品を含むブログ (45件) を見る ディバイデッド・フロント〈2〉僕らが戦う、その理由 (角川スニーカー文庫) 作者: 高瀬彼方,山田秀樹出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/04/28メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (36件) を見る ディバイデッド・フロント〈3〉この空と大地に誓う (角川スニーカー文庫) 作者: 高瀬彼方,山田秀樹出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/02メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (45件) を見る 久々に小説を読み、久々に感動した。傑作である。 ただし、ごく限られたひとにとっての傑作だろう。
たまたま話の流れで文脈に違和感なくだけど「だが断る」と発言してしまって、知り合いというか後輩が「2ch用語ッスね」と言ってきたのだけど、まあ元ネタはジョジョな訳でそれを分からずに後輩は2ch用語だと認識してたらしい。それから話は発展してしまってオタクとかの話になった。 彼は自称オタクらしいのだけど僕からしてみれば彼の話すことは一般論でしかなくて、彼は何かこう「お洒落だけどオタク」である自分に酔ってそれをひけらかしている気がする。僕も自分自身オタクだと思うけど彼の様にひけらかすようなことはしないし、実際は「オタク」というものは彼が思っているかどうかは分からないけどステイタスにはならなくてやっぱり(方向性にもよると思うけど)一般的には気持ち悪い部類に入ると思う。たぶんそれでも彼はそういう中途半端な知識をひけらかしていくのだと思う。彼の綻びをあえて見つけて辱めようと思わないけどなんかそういう人種
ドラクエで一番ムカついたセリフを晒すスレ。 15 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2007/01/18(木) 19:09:28 id:ETHZvH9iO とりあえずはい、いいえどちらで答えても同じ答えが返ってくるセリフ全般。 特に「何も言うな」的な答えが返ってくるとじゃあ聞くなよ、と思ってしまう。 この部分を読んでいて、ある作品のことを思い出した。 その昔、スーパーファミコンでプレイした『ソウル&ソード』というRPGだ。 ゲームバランスこそいまひとつなものの、フリーシナリオを利用したなかなかおもしろい作品だった。しかし、この記事で取り上げるのはその内容のことではない。 このゲームをプレイしているとき、ぼくはRPG人生最大の恐怖を体験したのだ。グロテスクな怪物か? 違う。ホラー映画のような展開か? 違う。もっと単純でもっと恐ろしいことだ。 このゲームも、『ドラクエ』や『FF』などと同じ
月蝕島の魔物 (ミステリーYA!) 作者: 田中芳樹出版社/メーカー: 理論社発売日: 2007/07メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (31件) を見る 「ディケンズ先生、アンデルセン先生のご滞在が長びいて、ご迷惑ではありませんか」 ディケンズは、じろりと私をにらんだ。 「そんなこと、我輩の口からはいえんよ」 いっているのも同様である。 田中芳樹の「ヴィクトリア朝怪奇冒険譚」三部作第一弾。 このあとには『髑髏城の花嫁』、『水晶宮の死神』が予定されているとか。この期に及んであらたに三部作を始める辺りが凡人の理解を超えている。本当に完結するのかな。 ヴィクトリア朝とは、ヴィクトリア女王によって統治された時代のイギリスを指す。 その頃、世界に先んじて産業革命を果たしたイギリスの経済力は世界一となり、人口は数倍に増え、世界各地に植民地を生み出してはその富を吸い取っていた。
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