御嶽山山頂から北に2キロの岐阜県側の山小屋「五の池小屋」(標高2798メートル)にとどまり、眠れぬ一夜を過ごした登山客26人が28日午前、立ち上る噴煙を背に、岐阜県下呂(げろ)市の濁河(にごりご)温泉近くの登山口に次々と到着した。医師による簡単な健康チェックを受け、市が用意したバスに乗り込み、近くの施設に向かった。 一様に疲れ切った様子で、その場に座り込む人の姿もあった。登山服やマスク、靴などは白っぽい灰にまみれ、くすんでいた。26人のうち、3人が高山赤十字病院(岐阜県高山市)に搬送され、このうち女性1人は鎖骨を折る重傷で出血もあり、登山道から直接、岐阜県警のヘリで運ばれた。 休憩先の施設では、下山した小学生の男児が、出迎えた家族らと涙を流して無事を喜んだ。岐阜県本巣市の女性(31)は「真上から大きな石が降ってきて死を覚悟したが、山小屋ではみんな一緒だったので不安はなかった」と話した。