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ブックマーク / note.com/ichi_twnovel (14)

  • 偽情報への注意喚起や報道が民主主義を衰退させる=警戒主義者のリスク|一田和樹のメモ帳

    偽情報の脅威への無差別な警告が偽情報の影響とリスクを増大させるという論文「Negative Downstream Effects of Alarmist Disinformation Discourse: Evidence from the United States」(Jungherr, A., Rauchfleisch, https://doi.org/10.1007/s11109-024-09911-3)を読んだ。 ●概要偽情報あるいはデジタル影響工作があるということが知らされることで、選挙や報道に不信感をいだかせる「パーセプション・ハッキング」という手法は以前から知られていた(日では私以外ほとんど言及しないけど)。この論文は2016年以降、偽情報に対しての警告があふれたために、その効果が高まり、民主主義衰退の一因になっている可能性を指摘している。この論文では偽情報についての無差別

    偽情報への注意喚起や報道が民主主義を衰退させる=警戒主義者のリスク|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2024/05/10
    ”偽情報についての無差別な警告=警戒主義は問題意識を高め、民主主義への満足度を下げ、規制強化の支持へ向かわせる可能性がある" "無差別な偽情報への警戒への暴露はアメリカの民主主義が衰退した一因になった"
  • 2024選挙大戦メモ 来年の選挙が描き出す世界の姿|一田和樹のメモ帳

    来年は78カ国で83の選挙が行われ、世界人口の半分が投票権を持つ。選挙大戦だ。米大統領選やインドも含まれる。公正な選挙が行われない国も多いうえ、偽情報などの問題への対処は十分ではなく、世界の趨勢として民主主義の世界ではないことが確認され、民主主義国は危機感を募らせ、事態を悪化させる。 そのため、「オレたちはあいつらより多い」状況が選挙結果に出る可能性が高い。 ●対症療法でしかないファクトチェックとリテラシーファクトチェックとリテラシーに効果がないことは明らかだし、そもそも偽情報やナラティブを広めない/削除することにはほとんど選挙結果に効果はない。 しかし、偽情報やナラティブを見えなくするという効果はあるので成果があったとも言える。2020年のアメリカ大統領選で偽情報対策が功を奏したと主張するのと同じだ。結果として、2021年1月6日に連邦議事堂への暴動が発生した。「手術は成功したが、患者は

    2024選挙大戦メモ 来年の選挙が描き出す世界の姿|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2023/12/18
    "民主主義陣営にはふたつの課題があって、それはまったく解決されていない。1.効果的な対処方法は権威主義国と同様の方法しかない。 2.「1.」を実行することはもはや民主主義を放棄することになる"
  • 中国発権威主義国向けAI監視システム4 欧州安全保障研究所が指摘する中国型スマートシティの危険性|一田和樹のメモ帳

    2020年5月、コロナのまっただ中で公開された欧州安全保障研究所(European Union Institute for Security Studies=EUISS)の「TOWARDS URBAN DECOUPLING?」(https://www.jstor.org/stable/resrep25030)をご紹介したい。 ●内容レポートはコロナ禍で加速した中国のスマートシティ開発の危険性を指摘し、その地政学的影響とEUの取るべき方向を整理したものである。 ・コロナ禍で中国はスマートシティ開発を加速2019年12月以降、中国は複数のIT企業とともに国内でのスマートシティの利用とテストを拡大している。そこにはAI,監視カメラ、顔認識AI、ドローン、ビッグデータ収集と解析、行動追跡、移動履歴と医療データの紐付け、社会信用システムなどが含まれている。2020年3月初旬にはコロナ危機からの回復

    中国発権威主義国向けAI監視システム4 欧州安全保障研究所が指摘する中国型スマートシティの危険性|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2023/07/26
    "都市レベルでは国家単位のことを気にしないこともあるため欧米の都市に置いて中国型スマートシティの導入が増加するリスクもあると指摘" "これを防ぐためにはEUにおいてスマートシティの議論を行っていく必要がある"
  • 防衛3文書を読んでみた 完成度高いけど現実と乖離している|一田和樹のメモ帳

    話題の防衛3文書を読んでみた。私は安全保障や軍事の専門家でもないし、特段くわしいわけでもないが、わかりやすく全体的にすごくよくまとまっていたと思う。デジタル影響工作やサイバーに関するとこだけ興味深く拝読した。 よい点についてはすでに多くの方が語っているので、そちらを読んでいただいた方がいいと思う。たとえば下記。 高橋杉雄(政策研究部防衛政策研究室長) https://twitter.com/SugioNIDS/status/1603679849595342853 佐橋亮(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府准教授、東洋文化研究所) https://twitter.com/ryo384_ir/status/1603872305851031577 神保謙(慶應義塾大学教授、国際文化会館常務理事など)が国家安全保障戦略と国家防衛戦略をそれぞれ1枚にまとめていて便利 https://twitte

    防衛3文書を読んでみた 完成度高いけど現実と乖離している|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/12/18
    "民主主義を標榜するグローバルノース主流派の主張のみが普遍的価値であり、同意しない国家は世界秩序を乱す悪と位置づけている。しかし、すでに国の数でも人口でも権威主義国の方が多いのが現実"
  • ツイッターのデータが中国に流れる理由 中国企業が買収に参加|一田和樹のメモ帳

    イーロン・マスクのツイッター買収にともなって、データが中国当局に流れる懸念がもちあがっているようだ。結論から言うと、その可能性は高い。なぜなら、ツイッターの買収はイーロン・マスクとコンソーシアムが行っており、そのコンソーシアムには中国企業暗号通貨のバイナンス(Binance Holdings、https://www.binance.com/、中国起業し、その後中国外に移転)が参加しているためだ。 【2022年11月23日追記】以前の話も軽く触れておいた方がわかりやすそうだったので概略を付記しておくことにした。アメリカはデータ管理の保護に全く制度や規制がおいついておらず、それがIT産業の振興につながっていることもあって野放し状態だった。ヨーロッパはおろか日にすら遅れているのが実情だ。アメリカIT産業は莫大なデータを自由に収集し、ビジネスを拡大した。 しかし、同じことを外資やアメリカで企

    ツイッターのデータが中国に流れる理由 中国企業が買収に参加|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/11/23
  • 習近平とトルドー、これまでもこれからも続く話|一田和樹のメモ帳

    習近平とトルドーの会話が日で話題になっていて、すごく意外。話題になった原因はニュースで取り上げられたからだけど、ふだんはほとんどアメリカ以外の海外のニュースを取り上げないのに珍しい。 この会話に関してはカナダのCBCがさっそくテレビで取り上げていた。 国際政治学者イアン・ブレマーへのインタビューと、会話直後に会話の映像を交えた紹介だ。 イアン・ブレマーへのインタビュー https://www.cbc.ca/player/play/2113987140000 会話の紹介 https://www.cbc.ca/player/play/2114245187990 日のメディアの多くは、トルドーが会談の内容をメディアに漏らしたことにクレームをつけたという感じになっていた。それはその通りなのだけど、背景がいろいろあって、そのへんはイアン・ブレマーのインタビューやカナダのメディアの報道でよくわかる

    習近平とトルドー、これまでもこれからも続く話|一田和樹のメモ帳
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    kaikaji 2022/11/18
  • 国際政治学者イアン・ブレマーの『危機の地政学』は日本に欠けている未来への力を教えてくれる|一田和樹のメモ帳

    国際政治学者イアン・ブレマーの『危機の地政学 感染爆発、気候変動、テクノロジーの脅威』(日経経済新聞出版、2022年10月4日)を読んだ。実は書の原書をのろのろ時間をかけて読んでいたのだが、昨日、日語版が出ているのに気がついてさっそくそちらに切り替えた。 書は、我々が直面している3つの危機=パンデミック、気候変動、テクノロジーに対して、どのように取り組むべきかをまとめている。イアン・ブレマーは洞察力に富んだ人物で、私はよくYouTubeを見ている。毎日更新され、最新の話題をコンパクト(ほとんどは数分!)にまとめて伝えてくれる。時にはキイパーソンを招いて対談することもあるし、パペットアニメのこともある。おすすめである。 GZERO Media https://www.youtube.com/c/GZEROMedia ●書の内容書はまず3つの危機についての状況を整理、分析している。パ

    国際政治学者イアン・ブレマーの『危機の地政学』は日本に欠けている未来への力を教えてくれる|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/11/09
    "これらの危機に対応するためには世界が協力することが必要で、そのためには米中は反目していても相互依存していた方がよいし、国際的な仕組みも必要だとする。そして国際機関の設立を含む具体的な提言を行っている"
  • アメリカに対する中国のデータ優位性を莫大な事例から分析した『Trafficking Data』|一田和樹のメモ帳

    【2024年3月17日追記】日語版が出ました! 『トラフィッキング・データ デジタル主権をめぐる米中の攻防』(アン・コカス、日経BP 日経済新聞出版、2024年3月15日) 『Trafficking Data: How China Is Winning the Battle for Digital Sovereignty』(Aynne Kokas、Oxford University Press、2022年11月1日)は、米中のデータの移動に焦点を当てたレポートである。個人情報、金融情報、取引情報、人間関係、位置情報、監視カメラの映像、ありとあらゆるデータがさまざまな形で両国の間を行き交っている。 しかし、中国はこのデータ流通において米国よりも圧倒的に有利なポジションにある、と著者は指摘し、SNS、金融、農業、ゲーム、家電、医療から宇宙までのデータ移動の実態を事例に基づいて明らかにしてい

    アメリカに対する中国のデータ優位性を莫大な事例から分析した『Trafficking Data』|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/11/07
  • 2022年あるいは2023年に台湾有事の可能性はあるのか?|一田和樹のメモ帳

    【追記】大前提として、中国台湾を統合しようとしており、軍事行動を含めた行動を薦めるのはほぼ間違いない。そしてそれは遠い未来ではない。この認識は以前からあったが、日ではその備えがほとんどと言っていいほど進んでいなかった。 時事通信の2022年10月21日のニュース(https://www.jiji.com/jc/article?k=2022102100699)で紹介されたMichael M. Gilday米海軍作戦部長の発言がきっかけとなって、SNS2022年あるいは2023年の台湾有事の可能性に言及する発言を見かけるようになった。 「ほんとに?」と思って、New York Times やWashington Post、Wall Street JournalをMichael M. Gilday米海軍作戦部長に関する記事を探してみたが、時事通信で取り上げたような内容のものはなかった。 時

    2022年あるいは2023年に台湾有事の可能性はあるのか?|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/10/25
    "時事通信の記事は間違っているわけではないが、意図的に「これまでと変わりがない」ことを隠して報じているかのように思える。記事を見た多くの人が話にのって危機感を募らせたのも当然だ"
  • コロナ禍で中国やロシアが広めたQAnonの陰謀論 #非国家アクターメモ 2|一田和樹のメモ帳

    前回のメモでQAnonの影響力の現状についてご紹介した。コロナ禍でのQAnonの拡大の要因のひとつに、中国を始めとする第三国からのデジタル影響工作があったことがわかっている。 Institute for Strategic Dialogue (ISD) の「QAnon goes to China – via Russia」(2022年3月23日、https://www.isdglobal.org/digital_dispatches/qanon-goes-to-china-via-russia/)によればもともとはQAnonは中国を敵視していたが、ロシアウクライナ侵攻後にそれが変化していることを伝えていた。 また、国家情報長官室(ODNI)は中国が影響工作を行っていないという見解を示していた。 しかし、実はそれ以前から中国はQAnonに接近していた。 前回、ご紹介した「QUANTIFYI

    コロナ禍で中国やロシアが広めたQAnonの陰謀論 #非国家アクターメモ 2|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/10/11
  • 欧州議会の報告書から メタバースの地政学|一田和樹のメモ帳

    2022年6月24日に欧州議会のシンクタンクEPRSがメタバースに関する報告書「Metaverse: Opportunities, risks and policy implications」(https://www.europarl.europa.eu/thinktank/en/document/EPRS_BRI(2022)733557)を公開した。 2022年3月9日に公開されたEUのART(analysis and research team)の報告書「Metaverse – virtual world, real challenges」(https://www.consilium.europa.eu/media/54987/metaverse-paper-9-march-2022.pdf)と並べて読むとEUの方向性がわかっておもしろいアメリカなど他の国でも同様の報告書があるっぽ

    欧州議会の報告書から メタバースの地政学|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/07/31
  • 暴力と不安定のアメリカ Foreign AffairsでSpotlight: American Democracyメモ|一田和樹のメモ帳

    Foreign AffairsでSpotlight: American Democracyとしてアメリカの民主主義についての記事を5つまとめている。それぞれの記事は異なる視点でアメリカの民主主義が危機に瀕していることを訴えている。このうち、3つの記事「America’s Coming Age of Instability」(https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2022-01-20/americas-coming-age-instability)、「The Republican Devolution」(https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2020-08-07/democracy-fragile-republic)、「The Fragile Repub

    暴力と不安定のアメリカ Foreign AffairsでSpotlight: American Democracyメモ|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/07/04
    "Foreign Affairsの一連の記事で全く触れられていなかったことがある。それはアメリカの極右などの反主流派はロシアのプロパガンダを受け入れており、親ロシア活動を繰り広げているということ"
  • なぜ、ロシアが情報戦で負けたと誤解したのか|一田和樹のメモ帳

    まだ、結構な人がロシアは情報戦で負けた、ロシアの影響工作は失敗したと考えているようなので簡単にそうではない理由を紹介したいと思う。 なお、稿をさらにくわしく解説した記事をニューズウィークに寄稿した。 ロシアが情報戦で負けたという誤解 https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2022/07/post-37.phpロシアの情報戦評価についての短い経緯2022年3月初旬まではグローバルノース(欧米+日韓国)のほとんどのメディアがロシアの情報戦での敗北を伝えていた。 しかし、その後、そうではない可能性を指摘する情報や記事が相次いで公開され、2022年6月22日にマイクロソフト社が公開したレポート「Defending Ukraine: Early Lessons from the Cyber War」(https://blogs.microsoft.com/

    なぜ、ロシアが情報戦で負けたと誤解したのか|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2022/07/04
    "国際世論とはグローバルノースのメディアや著名人などが作るもので、ロシアはそもそもここを操作することが困難だった。それがわかっているので、ロシアはそれ以外の領域をターゲットにして影響工作を実施"
  • リベラルの声が中間層に届かない件について 正直いろいろわからない|一田和樹のメモ帳

    Japanese conservative messages propagate to moderate users better than their liberal counterparts on Twitter」(Yoshida, M., Sakaki, T., Kobayashi, T., Toriumi, F. Japanese conservative messages propagate to moderate users better than their liberal counterparts on Twitter. Sci Rep 11, 19224 (2021).)(https://www.nature.com/articles/s41598-021-98349-2)という論文が話題になっていたので読んでみました。でもいろいろわかりませんでした。主としてわからなか

    リベラルの声が中間層に届かない件について 正直いろいろわからない|一田和樹のメモ帳
    kaikaji
    kaikaji 2021/10/07
    これはかなりボコボコの批判では。
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