第9回 東山魁夷記念 日経日本画大賞に、村山春菜さんの《コンクリート城 ランドマップ 「地球(ほし)クズ集め」、「コンクリート城とコンクリートの民」》が決まった。その名のとおり、コンクリートを製造する工場を橋の上からとらえた2点セットの大作だ。都市や町の営みを高いところから見下ろして描くのが好きだという村山さん。その創作について話を聞いた。(聞き手 窪田直子) 受賞作は、大阪の南港近くで偶然見かけた光景がモチーフになったそうですね。 普段から町を俯瞰できるポイントを探していて、歩いて渡れる橋を検索し、実際にそこに行って渡ってみることをやっていました。それでも、今回のような大きな工場の全体が見下ろせるところはなかなかありません。巨大なタンクや生コンを流すパイプ、ミキサー車が入れ代わり立ち代わり出入りし、働く人みんなが工場を回していて、見飽きない。テーマパークのようだと思いました コンクリート