オレゴン州の海岸で、アマチュア写真家のマイケル・サンチェス氏が撮影した一枚の野鳥の写真が、アメリカの野鳥愛好家たちに衝撃を与えた。 そこに写っていたのは「幸せの青い鳥」とも呼ばれるイソヒヨドリだ。 スズメ目ヒタキ科に分類されるこの鳥はアフリカとユーラシア大陸に広く分布し、日本でも数多くみられるものの、アメリカでは史上初の目撃例となったのだ。
カラスはゼロの概念を理解したり、忍耐力テストで人間の子ども並みの自制心を発揮したりと、優れた知能を持つことが知られています。そんなカラスに数字を見せて鳴き声を出させる実験により、カラスは数字を理解してそれに応じた鳴き声を出すことが可能なことがわかりました。 Crows “count” the number of self-generated vocalizations | Science https://www.science.org/doi/10.1126/science.adl0984 Crows can deliberately plan how many calls to make | University of Tübingen https://uni-tuebingen.de/en/university/news-and-publications/press-releases/
変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。 前の記事:蘇(そ)を作る 乳を煮る煮る 七種類 > 個人サイト 海底クラブ クジャクはきれいな鳥 クジャクはきれいな鳥である。 鳥という生き物はみんな美しい姿をしているが、中でもクジャクは特別だ。ここまでゴージャスという言葉が似合う鳥はなかなかいるまい。とくに有名なのは繁殖期のオスの、目玉模様を散りばめた飾り羽を半円形に広げた姿だろう。 かつて京都市内にウサギやニワトリくらいの距離感で何匹ものクジャクを飼育しているところがあった。無料で自由に見ることができたから、繁殖期には何度も通った。オスのクジャクが長くて重たそうな飾り羽をブルブルと震わせながら広げる姿はいつ見てもゴージャス、典雅、素晴らしいとしか言いようがなくて、メスのクジャクでなくても思わずフラフラ〜っと吸い寄せら
ツバメの飛来の便りがちらほら届き始めました。 毎年、何千キロも旅をして、繁殖をしに日本へやってくるツバメたち。 「今年も無事にやってくるかな?」と心配になってしまいます。 今回の記事は、そんなツバメのモテる秘訣について書いてみようと思います。 長距離を繁殖のために旅してやってくるツバメたちは、どのようにペアを作っているのでしょうか? 日本では人の近くで子育てをするツバメ。 そんなツバメの恋のお話です。 ツバメのモテる秘訣は? ツバメの場合、メスとオスを見分ける方法は主に3つあります。 ・尾羽の両端が長いのがオス ・喉の赤い色がオスの方が濃い ・尾羽にある白い斑がオスの方が大きい この3点がオスとメスの主な違いになります。 ということは、この3点の違いが、オスのモテる秘訣である可能性が高いと言えそうです。 尾羽がより長く左右対称なほどモテる ヨーロッパの研究では、尾羽の両端が長くてより左右対
オウムは非常に賢い鳥として知られており、道具の使い方や作り方を仲間から学習できることや、確率の概念を理解できること、さらにタブレットやスマートフォンでビデオ通話をかけて他の個体と交流できることなどがわかっています。ノースイースタン大学のレベッカ・クラインバーガー准教授らは、「オウムがより快適にタブレットを使えるようにする」ための研究を行っているとのことです。 No More Angry Birds: Investigating Touchscreen Ergonomics to Improve Tablet-Based Enrichment for Parrots - DRS https://repository.library.northeastern.edu/files/neu:h989sd115 Parrots Love Tablet Games. How Do They Play
ロンドン(CNN) 英国の動物園が、ひわいな言葉の悪態を連発するオウム集団のリハビリのため、アダルト鳥園と化す危険を冒して新たな計画を採用した。 リハビリの対象は、イングランド東部リンカンシャーの動物園に寄贈されたオウム目のヨウム8羽。このうち5羽は2020年、下品な言葉を直すために群れから切り離して隔離されていた。 しかし動物園は23日からこのアプローチを変え、隔離していた5羽を、新たに寄贈された口汚い「エリック」「キャプテン」「シーラ」の3羽と一緒に群れへ戻すことにした。 「彼らを移動させる際に箱から出てきた言葉は衝撃的で、本当にひどかった。普通のののしり言葉ではない、正真正銘の放送禁止用語だった」。同園のスティーブ・ニコルズさんはCNNにそう語る。「我々はものすごく下品で口汚いオ8羽のヨウムを、暴言を吐かない92羽と一緒にする」 もしもこの作戦がうまくいけば、8羽のヨウムは群れの仲間
モザンビークでノドグロミツオシエを放す研究者。この鳥は東アフリカでは野生のミツバチの巣から蜂蜜を集める人間と相利共生の関係を築いており、野生動物と人間が協力し合う数少ない事例のひとつとされている。(PHOTOGRAPH BY THOMAS PESCHAK) 野生のミツバチの蜂蜜を手に入れるのはたいへんだ。巣は木の枝やうろに隠されていてなかなか見つからないし、ミツバチたちは巣を守るために攻撃してくる。しかし、アフリカの蜂蜜ハンターたちは、ノドグロミツオシエという小さな茶色い鳥の力を借りて、ミツバチの巣を見つけている。ミツオシエはハンターをミツバチの巣に案内し、ハンターは煙や道具を使ってミツバチの攻撃を抑える。こうしてハンターは蜂蜜を手にし、ミツオシエは主食である蜜蝋にありつくことができる。(参考記事:「野鳥と人が蜂蜜めぐり「共生」、科学的に解明」) 科学者たちは長年、人間とノドグロミツオシエ
鳥インフルエンザウイルスの媒介に、ハエが関与している可能性があることが九州大学の研究グループの調査でわかりました。 これまでは小動物などを想定して感染防止対策がとられていて、グループではハエの侵入を防ぐ対策を行って効果を検証することにしています。 鳥インフルエンザは昨シーズン全国26の道と県で確認されて過去最多の1771万羽が処分され、この冬もすでに各地で確認されています。 九州大学大学院農学研究院衛生昆虫学分野の藤田龍介准教授の研究グループは去年12月、感染が相次いだ鹿児島県出水市の養鶏場近くなど30か所あまりでおよそ900匹の「オオクロバエ」を採取して詳しく調べました。 その結果、最も多かった地点では、15%ほどのハエから高病原性の鳥インフルエンザウイルスを含む鳥のふんが検出され、ウイルスは感染力を維持していたということです。 藤田准教授によりますと、オオクロバエは主に冬に活動し2キロ
こだわりの強いミュージシャン魂を持った鳥がいたようです。 オーストラリアに生息する「ヤシオウム」のオスはメスを落とすため、木の棒を片手に華麗なドラム演奏を披露することで知られています。 その演奏スタイルもスローからハイテンポと様々で、研究者たちは大いに注目してきました。 そしてこのほど、豪オーストラリア国立大学(ANU)の研究により、ヤシオウムは自分の好みに合わせて、ドラムスティックを一から加工したり、デザインしていることが判明したのです。 研究の詳細は、2023年9月13日付で科学雑誌『Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences』に掲載されています。 Australian National University researchers find ‘master sculptor’ in drumming palm coc
神戸大学大学院理学研究科の末次健司教授 (兼 神戸大学高等学術研究院卓越教授) および福島大学共生システム理工学類の兼子伸吾准教授らの研究グループは、ナナフシモドキ (以下ナナフシ) の全国的な遺伝構造を調査し、その遺伝子型の分布パターンに、鳥による長距離分散の痕跡が残っていることを強く示唆する研究結果を得ました。 以前、末次教授らは、ナナフシの卵が鳥に食べられた際、一部の卵は無傷で排泄され、その後孵化することを実験的に明らかにしていました。しかしこのような現象は低頻度でしか起こらないため、自然条件下で実際に分布拡大に寄与しているのかについては未解明なままでした。このため、末次教授らは、今回新たにナナフシを日本全国から採集し、その遺伝構造を詳細に調査することで、自然界で実際に長距離分散が起きているかを検討しました。 その結果、最大で683km離れた場所で同一のミトコンドリアの配列が確認され
Marianne Guenot [原文] (翻訳:仲田文子、編集:井上俊彦) Sep. 15, 2023, 07:00 PM サイエンス 30,905 「フジアンヴェナトル・プロディジオサス」の想像図。この恐竜の化石の発見により、これまで謎とされてきたジュラ紀前後における鳥類の進化の過程が明らかになるかもしれない。 ZHAO Chuang 「フジアンヴェナトル」の下腿は、大腿の約2倍もの長さがあったようだ。 この1億5千万年前に存在していた恐竜は、始祖鳥と同じくらい古い、極めて初期の鳥類である可能性が高い。 このことは、鳥類の長い脚が、これまで考えられてきたよりもずっと早く進化した可能性を示唆している。 1億5000万年前の恐竜が発見された。これによって鳥類の進化の歴史が塗り替えられるかもしれない。 「フジアンヴェナトル・プロディジオサス(Fujianvenator prodigiosus
株式会社 文一総合出版(東京・新宿/代表取締役社長・斉藤 博)は、【とことんカラス】定価1,980円(本体1,800円+10%税)を2023年9月15日(金)に発売いたします。 底なしのカラス沼へようこそ。 目次 身のまわりでかんたんに観察できて、見れば見るほどおもしろい。それが、楽しくてやみつきになってしまうカラス観察。野鳥専門誌『BIRDER(バーダー)』の編集部が総力をあげて、カラスのすべてをとことん解説。 俗に「カラス屋」と呼ばれるカラス研究者や観察者、写真家などの豪華執筆陣も名を連ね、カラスの基本知識から驚きのディープな情報まで、ビジュアル満載でとことん紹介します。 豪華執筆陣(敬称略) 柴田佳秀(科学ジャーナリスト)、清水哲朗(写真家)、杉田昭栄(解剖学者)、塚原直樹(動物行動学者)、中村眞樹子(NPO法人札幌カラス研究会)、ピエール☆ヤギ(カラスブログ)、細川博昭(作家)、松
東京の空の勢力図が変わろうとしている。都市生態系の頂点であるカラスにタカなどの猛禽類が挑戦状を突き付けたのだ。彼らはなぜ東京に来たのか。鳥たちが繰り広げる熱い「空中ドラマ」に迫る。 カラス独裁の揺らぎ 今、東京の空に異変が起きている。といっても、この異常な暑さのことではない。鳥である。一度、空を見上げてみてほしい。その変化に気付くかもしれない。 「これまで東京都上空の覇権を握っていたのは、カラスでした。しかし、個体数の減少に伴い、オオタカやハヤブサなどの猛禽類が東京都心に進出し、熾烈な勢力争いを始めているのです。両者の戦いにスズメやツバメなどの小鳥も巻き込まれ、東京の空はさながら、生態系の頂点をかけた仁義なき戦いのような状態になっています」 そう語るのは、NPO法人自然観察大学学長で、『都会の鳥の生態学-カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰』の著書がある唐沢孝一氏である。長年にわた
アオサギという鳥が好きだ。日本中で見ることのできる、とても身近な野鳥でありながら、大きな体をもち、翼を広げれば全長は1.5メートルにもなる。あまり人や外敵を恐れぬ泰然とした佇まいにも目を奪われる。目元から冠羽へとつながる濃紺の模様や、長い首を彩る斑点、くすんだ青灰色の色合い…。いわゆる「サギ」として連想する真っ白な羽のシラサギ(実はこれは種の名前ではなく、ダイサギ・チュウサギ・コサギらをまとめた通称なのだが)とは一線を画する、野性的な美をアオサギはその身にまとっている。 そのルックスに恥じず、アオサギの暮らしはワイルドだ。魚や虫や甲殻類だけでなく、時には同じ鳥類や小型哺乳類まで捕食する。「張り詰めた弓」のようにジッと動かないかと思えば、突如として矢のような瞬発がひらめく。長い首を素早くのばし、鋭いくちばしで獲物を捉えるのだ。堂々たる巨体の優雅さと、刃物のような攻撃性を兼ね備えたアオサギを眺
新潟県で捕獲された、メラニン色素が作れず色が白い「アルビノ」と呼ばれる状態のカラス2羽の遺伝子解析から、変異の特徴一致が確認された。京都大の古賀章彦名誉教授(進化遺伝学)は「変異遺伝子が潜む黒いカラスの群れが新潟周辺で形成され、高頻度で白い個体が生まれるのでは」と推察する。 体が白い動物は、天敵に見つかって捕食されやすいとされる中、新潟県では1980年代以降、白いカラスが相次いで確認されているという。 そこで古賀氏は、県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里(新発田市)で保護されていた高齢と若年の白いハシボソガラス1羽ずつのふんから、メラニン色素の生成に必要な酵素を解析。遺伝子の同じ部分が欠損していることが分かった。2羽は年齢差から、きょうだいや親子でないとみられる。 変異遺伝子を両親から受け継いだ場合に限り、白い個体が誕生するとみられることが、先行研究で判明している。 古賀氏は「変異遺伝子を片方
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