○京極夏彦「邪魅の雫」読了 (講談社 ISBN:4061825089) *下記の感想文はネタバレあるいはそれに近いあんばいになります。京極新作読書の楽しみを半減させるおそれがあるので、未読の方はなるべくなら読み終わってからまた訪問いただければサイワイです。 私ゴトで恐縮だが、かつて俺は本屋だった。いくつかの店舗を回って辞めるときはデカい店に所属した。 デカい店は配本もバカみたいにたくさんあって仰天したし、版元もひっきりなしにやってきた。 けれど、俺は小さい店で経験をつんだため、仕事の仕方が小さい店的だった。 今にして思えばデカい店所属のメリットいかして、どんどん人脈やらなにやらを構築すべきだったと思ったりもする。が、当時の俺はなにか意固地なほど小さい店出身に拘っていた。 たとえば、文春文庫や講談社の発注一覧表は、店の売上ランクによって、発送されてくるものが違っていて、小さい店には小さい店用