子宮頸がんワクチンについての日本の迷走っぷりは酷い状態である。真剣に全部書き下すとすごい分量になるので、ざっと基礎知識とこれまでの経緯をまとめてみる。 (1)子宮頸がんに関する基礎知識(出典は主に厚生労働省、がん情報サービスなど) ○子宮頸がんは定期的な検診によって予防可能ながんである。 ○子宮頸がんのうち8割を占める扁平上皮がんの多くは、ヒトパピローマウィルス(HPV)による感染症であり、子宮頸がん患者のほぼ100%にヒトパピローマウィルスが発見される。 ○2007年のWHO統計によれば、全世界で年間約50万人に子宮頸がんが発生し、約27万人が死亡している。 ○日本では、年間約9800人に子宮頸がんが発生し、約2700人が死亡している。 (2)HPVワクチンに関する基礎知識 ○HPVワクチンの導入によって、海外の疫学調査ではHPV感染者が減少している。 ○海外の解析モデルによる推測では、