農林水産省の元事務次官が長男を殺害した罪に問われている事件の初公判で、被告は起訴された内容を認め、弁護士は「長男による家庭内暴力で殺されると思い刺してしまった」と主張しました。証人として出廷した妻は長男から暴力を受けたことや事件直前、長男から殺すと脅されて夫婦で部屋にこもっておびえていたことなどを説明し、刑を軽くするよう求めました。 農林水産省の元事務次官、熊澤英昭被告(76)は、ことし6月、東京・練馬区の自宅で、長男の英一郎さん(44)を包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われています。 11日、東京地方裁判所で初公判が開かれ、被告は黒いスーツを着て、伏し目がちにやつれたような表情で法廷に入り、証言台の席に座りました。 裁判の冒頭で裁判長から起訴された内容に間違いがないか問われると、被告は「間違いありません」と述べて認めました。 検察は「長男は以前から人づきあいが苦手で家庭内で暴力を