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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime (14)

  • ケインズの迷惑な置きみやげとしての「非自発的失業」

    たまには経済学っぽい話もしてみよう。 ダイヤモンド・オンラインに「低生産・高コスト構造を自覚せよ」と題する斉藤誠一橋大学大学院経済学研究科教授へのインタビューが載っている(http://diamond.jp/articles/-/9740)。斎藤氏は「実質国内総生産(GDP)も物価水準も為替レートも、主な経済指標は『長期均衡水準』にある、と思う。長期均衡水準とは、さまざまな歪みが調整された後の実力値のことだ。日経済は今、実力どおりの水準に落ち着いている」と述べている。 これに対して、飯田泰之氏がtwitterで「日経済は長期均衡水準らしい……現状を非自発失業がない状態だと考えられる人はよほどにおめでたいと思う→ 【齊藤 誠 低生産性・高コスト構造を自覚せよ】 」と批判した。 これを受けて、斎藤氏が、①経済学者どうしなのだから公共の場で「おめでたい」などと乱暴に批判せずに直接話をして欲し

  • 「岩瀬式! 加速勉強法」に見る秀才の努力

    ライフネット生命保険の副社長、岩瀬大輔氏の「岩瀬式! 加速勉強法」(大和書房)を読んだ。岩瀬氏は、東大在学中に司法試験に合格、ハーバードのMBAで20数年ぶりに上位5%の成績を取った日人にして、現在ネット生保の起業を成功させつつある有名な秀才だ(ライフネット生命の業績は順調に伸びているように見える。詳しくは→ http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET_disclosure_zine_2009.pdf)。勉強法流行の昨今、彼を著者にしてタイトルに「勉強法」と付くを出せた時点で、出版企画的に、先ずは成功だ。 私は、若くて頭のいい人物が理屈抜きに好きだし、ご人にも何度か会ったことがある。以下の文章は書評としては、少し甘いかも知れないとあらかじめお断りしておく。付け加えると、岩瀬氏の格好のいいところは、優秀な能力を有利で安全な立場を

  • 男の背中ぐらいしか撮るもののない時代

    デジカメの普及と高性能化で、写真はずいぶん撮りやすくなった。特に、普通の生活する人々の表情やしぐさなどを撮るスナップ写真は技術的に簡単になった。しかし、写真を撮ること、さらにその写真を発表することは、以前よりも格段に難しくなっている。 私はメカとしてのカメラも出来上がった写真そのものも好きだが、今のところ写真を使って他人に向けて表現したいテーマがあるわけではない。ただ、社会的なコンテクストの中での人の表情や動き、あるいは生活の様子などを画像としてコレクションすることには意欲がある。敢えて作家でいうと、ウォーカー・エバンスの写真が好きだ(近所のアート専門の古屋で買った「THE LOST WORK」という写真集がいい)。 カメラを持って歩いていると、撮りたいものがたくさん目に入る日もある(一方、ぜんぜん撮りたくならない日もあり、共に原因が分からない)。 しかし、普通の人の表情やしぐさを撮る上

    男の背中ぐらいしか撮るもののない時代
    mfluder
    mfluder 2009/07/25
  • インデックス投資ナイト

    昨日「インデックス投資ナイト」というインデックス投資を勉強・実践するブロガー達によるイベントに行ってきました。台場の舞台とスクリーンが用意されたカフェ的居酒屋(収容120人)が会場で、私は、パネルディスカッションに参加しました。 有料ということもあって客足は大丈夫なのかと気になりましたが、チケットは前日に売り切れたそうで、出席率も上々で満席(一部立ち見?)でした。 「インデックス投資家」とはどんな人達かというイメージはまだ完全に掴み切れてはいませんが、年齢層は30代、40代が極端に厚く、かつ、行儀のよい方々の集まりでした。開場の際には列が出来ていたそうですが、席の奥の方から順に詰めて座ってくれて手間が掛からなかったそうです。何れにせよ、株式の個別銘柄を話題にするセミナーに来る人々(たぶん、かぶり付きを含めて、思い思いの場所に着席するでしょう)とはかなりイメージが違う集まりだなあと思いました

  • 投資チャンスの年としての2009年

    あけましておめでとうございます。 リーマン・ショック以来、個人的には時間の足りない日々が続いていたが、11月下旬に「超簡単 お金の運用術」を脱稿してから少し余裕が生じて、忘年会を(例年通り)何度も楽しむことが出来た。 12月中に収録を済ませ、年が変わってからオン・エアされるテレビやラジオの番組では「2009年の景気はかなりキビシイ」「株価に関しても安値更新の可能性が高い(大雑把な予想レンジでは日経平均で6000円~9000円)」と言っているのだが、2009年は投資のチャンスの年だろうと思っている。 昨年の相場と世界経済の展開は、1990年代の日をVTRの早回しで見ているような感じだった。昨年初が1991年くらいの感じで、5月くらいに少し景気が回復し掛かった1995年くらい、しかし9月に一気に1997年(11月に山一が自主廃業を発表した年だ)を経過して、目下1998年から199年という感じ

  • 偉くてマナーの悪い人物をどう扱うか

    11月は、私としては、なかなか忙しかった。例月以上の原稿〆切(一日当たり一以上)に、単行の締め切り(27日校了)、さらにテレビ・ラジオの出演・収録が相当の数あり、加えて講演が4回あった。 そして、この講演の4回目が最悪だった。 さる地方都市で行った講演で、50人程度の主に企業経営者を相手にした夕会での講演なのだが、最前列に座った地元経済界の重鎮と覚しきR社のN会長が隣に居る会の主催者とぶつぶつ話す私語がうるさかったのだ。 N会長は70歳はこえておられる方なのだろうと推察する。ずっと話している訳ではないのだが、おそらく何か感ずるところがあると我慢が出来なくて、隣に座っている人物に話しかける。弁当とビール・ウーロン茶程度のものがある気楽な会(質疑を含めて2時間)だが、他に、講師の話中に私語に及ぶような行儀の悪い出席者はいない(大人なのだから、当たり前だが)。 しかし、しばらく話がとぎれて

  • 星野仙一氏のWBC監督就任に反対する

    北京オリンピックが終わりましたが、ボルトやワンジル、フェルプスに日の女子ソフトボールチームといった良い方の印象としてではなく、悪い方で一番印象に残ったのは、何といっても星野仙一氏が監督して率いた日の野球の惨敗でした。私は、ナショナリストではないので、全てのゲームで日チームを応援していたわけではないのですが、素人目に見ても下手な用兵、準備や情報の不足、ムード作りの失敗など、来個々に能力の高い選手を(組み合わせは上手くなかったとしても)集めたはずの日チームの戦いぶりのあまりの酷さに、後味の悪い思いをしました。たとえば、マイナー・リーグの選手に大学生まで混ぜたアメリカチームに二度も負けるというのは、監督としては、将棋なら駒を落とされて二度負けるくらいの「手合い違い」というべき惨敗でしょう。 個々の采配に関する不満や総評は、来週初発売の「週刊現代」の連載欄「新聞の通信簿」に新聞を引用して

  • 毒入り餃子事件の情報を隠蔽した日本政府

    8月6日、「読売新聞」(朝刊)は、中国生冷凍餃子中毒事件で、製造元の「天洋品」(中国河北省石家荘)が「事件後に中国国内で回収した餃子が流通し、この餃子をべた中国人が有機リン系殺虫剤メタミドホスによる中毒被害を起こして、重大な健康被害が出ていたことが分かった」と一面トップで報じた。朝刊時点では他紙にはないニュースなので、読売新聞の「抜き」である。 これまで、日中両国の警察当局が自国内でのメタミドホス混入を否定してきたが、中国で混入があった可能性が高まった。 回収した餃子が再び国内で流通して人間の口に入るところに、現在の中国の底知れない奥の深さ(とでも言っておこう)を感じるが、この点は、現状ではこんな国なのだろうと思うしかない。北京オリンピック観戦で中国に行く人は、べ物に気を付けるべきだ。 問題は、この情報の伝達プロセスだ。 読売の記事を引用すると「関係筋によると、中国側は7月初め、北海

  • 旨い焼き鳥が食べたい

    拙宅からの徒歩圏内に、飲店は数多く、その中の一軒に、かつて数年間贔屓にしていた焼鳥屋がある。焼鳥屋としてよくあるように、その店の店名にも「鳥」の文字が入っている。その「鳥●」には、数年前まで素晴らしく上手い焼き手が居た。 当時の彼は五十代前半くらいだったのだろうか。細面の寡黙な人で、既に串を打って下ごしらえしてあるネタを、大胆に塩を振ってから、さまざまに仰ぎ方を変えつつ団扇を休むことなく動かし続けて、炭火で焼いていた。カウンターが中心の店で、カウンターに約10人、奥にテーブル席があって、最大20名くらいのキャパシティーの店だが、彼が一人で焼いていた。カウンター内に1人助手が居て、カウンターの外に着物姿の女性が2人ウェイトレスの役割を果たすという体制だったが、焼き手の忙しさが突出していた。 ネタが下ごしらえ済みで、カウンター前の冷蔵ケースに納まっているとはいえ、いつも満員に近いあの店で、一

  • 世界のナベアツの悲しみと楽しみ - 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」

    「3の倍数と、3のつく数字の時だけアホになります」という"世界のナベアツ"のネタが小学生の間で流行って、先生達が困っているという。算数の授業で、3の倍数と3のつく数字が出る度に、子供達が一斉に「アホ」になるので、授業にならないのだという。どの程度当か知らないが、多少はそのようなことが起こりうるだろうし、これに対処できないようでは、教師のスキルが低いというべきだろう。 気になるのは、ナベアツが表現する「アホ」の内容だ。ピン芸人ナンバーワンを決める「R1グランプリ」の録画を見てみた。 ナベアツが演じるアホは、目の玉のひっくり返し気味に視線を泳がせつつ、顔の一方を引きつらせる表情が基で、さらに、手足をぶらぶらさせて「アホ」を強調することがある。表情と形でシンプルに笑いの刺激を与えつつ、算数との組み合わせた意外性があり、繰り返しのリズムが癖になる、なかなか洒落たネタなのだが、ナベアツによる「ア

  • 「株主総会でサブプライムを問う」

    ある法務系の雑誌の巻頭コラムに、「株主総会でサブプライムを問う」と題する文章を書いた。私は法律が専門ではないので、法務系の雑誌からの原稿依頼は珍しいが、日頃と異なる読者に意見を届けることが出来るので、喜んで引き受けた。 人を介した依頼だったが、依頼のポイントは、(1)「サブプライム問題とはナニナニである」と言い切る原稿を書いて欲しい、(2)サブプライム問題に関連して6月の株主総会で株主が質すべき論点を書いて欲しい、という二点だった。 上手く書けたかどうかは、自分では何とも言えないが、「サブプライム問題は人災である」と文頭で言い切り、以下、主に金融機関を中心とする日企業についてサブプライム関連損失があった場合について、(A)適正な運用管理ルールが事前に存在したか否か、また、(B)投資対象に対する実質的な時価評価がきちんとできていたか(単に証券会社から月に一度FAXで時価を受け取るような管理

  • 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」 持ち家か、賃貸か

    家は買うのがいいか、賃貸がいいか、について取り上げる約束であった。 基的には、家の値段が十分に安いか、或いは安くないか、による、としか、言いようがない。先日、朝日新聞の取材に答えた時にも、基的な意見はそういうことだった。問題は、家の値段をどう判断するかだが、賃貸物件として考えた時に十分に客が付くし、自分が払ってもいい家賃の見込み収入から、税金も含めて諸経費を引いて、実質利回りを計算して、せいぜい8%までで、それ以下の利回りになるようなら、価格が高い、というのが私の感覚だ。 マンションのセールスマンがよく言うような、「持ち家は、お金を払ううちに自分のものになるけれども、賃貸はいくらお金を払っても自分のものにならない」という、自分のものに「なる・ならない」という二分法にごまかされるのは、賢くない。(バブルの頃は、ファンドマネジャーでも、この点が分からない人が、結構居たのだが・・・) 株式に

  • 株価が高過ぎる場合のエージェンシー問題

    先日、ある大学の大学院で、かつての同僚と一緒にファイナンスの授業をした。ライブドア、村上ファンド問題が題材で、事実の経緯と、法的な問題点などについては彼が話をしてくれたので、私は、ライブドアとニッポン放送の問題についてコメントした。これまでに何回か取り上げた問題だが、ファイナンスの授業の観点から、まとめてみる。 授業の題材として取り上げるとすると、ライブドアとニッポン放送、フジテレビの問題の面白い点は、決着の評価と、そもそもライブドアがニッポン放送を買った動機だ。 周知のように攻防戦の決着は、(1)フジテレビがライブドアが保有する日放送株をほぼライブドアの取得価格で引き取り、(2)フジテレビがライブドアに出資する(時価で12.75%)、というものだった(形だけに終わった「提携」は無視しよう)。これに加えて、ライブドアは、(3)リーマンブラザーズ証券にMSCBを引き受けさせて、リーマンは百

  • 一口馬主の投資戦略

    Blessingsさまからご質問があったので、一口馬主のシステムについて、私の知っていることを簡単に説明します。 一口馬主サークルは数多くありますが(週刊「競馬ブック」でもご覧下さい)、一頭の馬の代金を20人(社台レースホース)から500人くらいで分割する場合と一口5万円というように値段が決まっていて高額馬は口数が増える場合とがあります。何れも、月に40万円~50万円の馬の維持費が掛かるので、ご注意下さい。 良血馬が安いのは、やはりいい肌馬・種馬を自分で持っていて生産もしている社台のようですが、社台は一口のサイズが大きいのでややお金持ち向けです。これまでに大活躍馬が多く出ているのは、社台を別格とすると、「マイネル○○○」の馬名で有名なラフィアンでしょうか。これまでのところ、安い馬でもいい馬を選ぶ選択眼があるようです。 競馬の賞金は、馬主80%、調教師10%、騎手・厩務員にそれぞれ5%と配分

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