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ブックマーク / thought.air-nifty.com (1)

  • 「全体主義」というユートピア――伊藤計劃『ハーモニー』(早川書房、2009年) - 一酔人経綸問答

    ・伊藤計劃『ハーモニー』(早川書房、2009年)が今年度の日SF大賞に選出された。非常に喜ばしいことであるが、同時にこの優れた作家さんが既に今年の3月に亡くなってしまったことが残念でならない。私見では『ハーモニー』が優れている点は、オーウェル『1984年』や、ハクスレー『すばらしき新世界』の所謂アンチ・ユートピア(ディストピア)のモチーフを用いながらも、オーウェルやハクスレーで曖昧にされた問いを先鋭化したことにあるように思う。その問いとは「人は全体主義の社会でも幸福に生きていけるのではないか」というものに他ならない。 ・『ハーモニー』の世界は、ほとんどの「病気」が駆逐された超-福祉社会である。WatchMeと呼ばれる恒常的体内監視システムによって、個人のカラダが常に健康であるように保たれ、病気は即座に除去される。地域の医療崩壊やインフルエンザに震える現代社会からすると夢のような社会だが、

    「全体主義」というユートピア――伊藤計劃『ハーモニー』(早川書房、2009年) - 一酔人経綸問答
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