世の中に出回る硬貨の量が最近、増えている。電子マネーの普及で、一円玉や五円玉などの利用は減少傾向にあるが「ワンコイン需要」のある五百円玉は増加。五十円玉の“奮闘”も目立つ。日銀によると、硬貨の流通量は二〇一一年末時点で、四兆五千四百九十七億円。前年同月比で0・18%増え、三年ぶりにプラスに転じた。 けん引役は五百円。長引くデフレで、五百円ちょうどのワンコインのランチや弁当、洗車などが定着したことを背景に需要が伸びた。五百円玉の流通量は前年比でプラスを続けており、昨年十二月末時点で初めて二兆円を超えた。 百円玉は横ばい状態だが、駅やコンビニエンスストアで使える電子マネーが広がった影響を受け十円玉などの小額硬貨は減少傾向。ただ、五十円玉だけは昨年十月以降、三カ月連続で流通量が増えており、前年比プラス圏に浮上した。