DNA(デオキシリボ核酸)の二重らせん構造で知られる生物の全遺伝情報(ゲノム)について、その大部分に隠れた機能が備わっていることを理化学研究所などの国際研究チームが突き止めた。 従来、生命活動に役立つ部分はゲノムの2%程度とされていたが、大幅に増え、約70%で機能を持つ可能性があるという。 生物が遺伝情報を予想以上に複雑に使いこなしていることを示し、旧来の生命活動の考え方に修正を迫る成果だ。2日付の米科学誌サイエンスで発表する。 ゲノム上には、体内の様々な生理機能の実行役である「たんぱく質」を作る遺伝子と、たんぱく質を作らない部分が混在する。研究チームは、DNAを高速・大量に処理する技術で、マウスやヒトのゲノムで今までにない大規模な解析を行い、ゲノム上の情報が実際に利用されている部分を調べた。 設計図であるDNAの情報からたんぱく質が作られる過程では、DNAが仲介役のRNA(リボ核酸)にい
前回のカオスの縁の話の中でスチュアート・カウフマンについて触れましたが、今回は彼の考え出したネットワークの話。 まず、彼の『自己組織化と進化の論理』(日本経済新聞社)は名著です。芸術的でもあります。原題は”At home in the universe”で日本語に直訳すれば『宇宙の中でくつろぐために』とでもしたらよいのだと思いますが、ここに彼の信条が現れています。科学の進歩の中で人類は宇宙の中で居場所を失い、神聖な価値をどこかに置いてきてしまった。その結果、現代人は心満たされることのないさつばつとした宇宙の中で暮らさなければならなくなってしまった。私たちはもういちど宇宙の中での人間の居場所を見つけ出し、神聖な価値に対する感覚を取り戻さなければならないのではないか、という問題提起から始まります。そういう部分ですでに私などはとても惹かれてしまうのですが…。 それで彼の研究のテーマは「宇宙におい
化学者のつぶやき もっとも単純な触媒「プロリン」 2005/2/15 化学者のつぶやき, 論文 プロリン, 不斉触媒, 有機化学, 有機合成, 有機触媒 コメント: 0 投稿者: cosine プロリン(proline)という化合物があります。 タンパク質などを構成する 天然型α-アミノ酸20種類のうち唯一の環状イミノ酸で、下のようにごく単純な構造をしています。 生物をちょっとでも学んだ方ならご存じであろう有名な分子ですが、この単純極まりない分子が有機反応の不斉触媒として働く、と聞かされたらどうでしょうか? 私自身これを初めて聞かされたとき(大学の学部生でした)、本当に驚き、そして感動した覚えがあります。「触媒」といえばなんだか金属的でごてごてした塊で、よくわからないけど複雑そうなもの・・・といったイメージしか当時なかったということもありますが、「こんなシンプルな分子ひとつが触媒になる」と
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