東京外国語大学 准教授 布川 あゆみ 今、世界各国で様々な形で旧来の学校教育制度の改革が進められています。 日本の小学校や中学校では、給食を学校で食べ、午後も学校で過ごす学校教育制度が定着しています。これからとりあげるドイツは、ヨーロッパ諸国の中でも珍しく、半日学校という学校教育制度が定着してきました。しかし、2000年代に入って、この半日学校モデルが学力格差を拡げている、あるいは女性の就労や活躍を妨げている、などの批判が高まり、 「終日学校政策」が進められてきました。 きょうは、ドイツの学校制度改革を例に、学校教育制度のあり方や、家庭や地域のかかわり方などについて考えたいと思います。 「半日学校」が実質的に母親の就労を制限する一つの要因になってきた点も、この動きを大きく後押ししてきました。 ドイツは連邦国家であり、各州、あわせて16州に教育の権限が付与されています。それを「文化高権(Ku