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【著者に訊け】北方謙三氏/『魂の沃野』(上・下)/中央公論新社/各1500円+税 十五世紀末、加賀で起こった一向一揆はほぼ百年続き、「百姓ノ持チタル国」とも呼ばれるようになる。この時代に加賀西部の地侍の家に生まれた風谷小十郎は、本願寺宗主の蓮如とも、守護の富樫政親とも不思議な縁を結ぶ。 昨日は味方だった友とも、明日は剣を交えざるをえない戦乱の世にあって、どう生きていくべきか、小十郎は絶えず自問せざるをえない。そのことは彼を、人を惹きつける、スケールの大きな人間に成長させもする。 主人公の風谷小十郎の、何ものにも囚われないしなやかなふるまいが魅力的だ。一向一揆という他に例のない史実の中に、北方氏は自身が造型した小十郎という傑出した若者を置き、自在に動き回らせている印象を受ける。 「もしかしたら、そういう名前の人間が実際にいたかもしれないよ(笑い)。あのあたりに、風谷峠や風谷郷という地名はある
100年続いた日本の「独立国家」 ――本作『魂の沃野』は、室町時代後期に加賀で起こった「一向一揆」を舞台に、蓮如、富樫政親との奇縁から、闘いに身を投じることになった侍・小十郎の活躍を描いた歴史巨篇です。 この時代の加賀を書いてみたいと思ったのは、20代半ばの頃でした。当時の私は歴史の本に触れ始めた時期で、日本の中に「独立国」が形成されたことが2回あったことを知って驚いたんです。 そのうちのひとつは、南北朝時代に懐良親王が九州に作った「征西府」。これについては、僕が歴史小説として最初に取り組んだ『武王の門』で書きました。そしてもうひとつの独立国が、一向一揆の起こった加賀でした。 一揆後の加賀は、戦国大名の介入を排し、本願寺の僧侶、地侍、そして商人による合議制に基づく統治を約100年も続けた。これは日本の歴史上、特筆すべきことです。では、この「独立国」はどのように成立したのか。自分の想像力を駆
著者畢生の大作『水滸伝』シリーズが足かけ17年、全51巻をもって先頃完結した。ハードボイルド小説から大胆な解釈で綴った歴史小説まで多くの読者を魅了し続けてきた、作家・北方謙三。68歳になった今も創作意欲と性欲は衰えを知らず、「生涯現役」を豪語する。老いてますます血気盛んな国民的作家の衰えることなき創作意欲とそのパワーの源に迫った。 ――まずは、51巻にも及ぶ壮大な物語を書き継ぐに至った理由についてお聞かせください。 北方:理由もなにも、書けちゃったんです。もちろん最初は特定の出来事をフックに書いていく。『水滸伝』の場合でいえば、北宋に対して梁山泊が起こした革命だ。けれど、出来事が終わった後も人間は生き続けるから、物語というものは本当の意味では完結することはない。作品ごとにいったんは幕が閉じられても、書き手の中では同じ世界観は継続しているんだ。物語に終息が訪れるとしたら、それは俺が死んだとき
第5回ゲスト:北方謙三さん (後編) 「シマジさんはまず、自分の価値観とは正反対の世界を書いてみることです」 【前編】はこちらをご覧ください。 自分の価値観とは無縁の世界に、創作のヒントがある 島地 北方文豪はずっと第一線で書いているけど、「作家になるより、作家であり続けることのほうが難しい」というのは感じていますか? 北方 もちろんですよ。ぼくと同じ世代にも、キラキラした才能を持ったヤツが大勢いました。デビューは早いけど、3年に一冊、次も3年に一冊。すると、もう次は書けずにフェードアウト。そんなパターンをたくさん見てきました。最低でも1年に3冊は書き続けないとダメだと思います。 島地 わたしは67歳でしがないエッセイストになり、これまでに13冊書きました。文豪から見て、なんとか及第点をもらえますかね? 北方 立派ですよ。でも、エッセイをいっぱい書くと消耗すると思う。小説は、物語が動きはじ
月産350枚の文豪を迎え、文学を語り合う 島地 今回は文豪・北方謙三先生がゲストだから、高尚な話を期待していいぞ。 日野 ホントですか? 北方先生は、どんなに脱線しても最後にはビシッと締めていただける方ですから心配はしてません。問題は・・・。 北方 シマジさんのほうだよな。わかってる。俺にまかせておけ。 島地 じゃあ、まずは何か飲みましょう。シングルモルト。そうだなあ、アードベッグのちょい古のやつ。水を少し入れてシェイクしてちょうだい。 北方 ぼくはいつもオン・ザ・ロックで飲むことが多いんだけど、今日は先輩と同じもので。 島地 文豪、ロックより水で割ったほうがいいですよ。スコットランドに行っても、ウイスキーをロックやストレートで飲む人はほとんどいないだから。「それをやるのはアメリカ人と日本人だけだ」って。 北方 水で割ったほうが体にいいいのはわかってますけど、氷がちょっと溶けた頃合いがうま
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