翼竜のものとみられた化石は、実は巨大なスッポンの骨だった――。茨城県ひたちなか市で発見され「ヒタチナカリュウ」と名付けられた化石が再調査の結果、スッポンだったと分かったのだが、きっかけは、ある研究者の手料理だった。 その研究者は、ミュージアムパーク茨城県自然博物館の加藤太一・副主任学芸員(32)。2017年、爬虫(はちゅう)類の化石の論文を仕上げた際、お祝いとして、自らスッポンをさばき、鍋にして妻と食べた。仕事柄、食べ終わった骨を眺めているうちに「ヒタチナカリュウ」の化石と似たくびれがあることに気づいた。 ヒタチナカリュウの化石が発見されたのは02年。ドイツの専門家にレプリカを送って調査した結果、「翼竜の肩甲骨」とされた。だが、スッポンを食べた後に改めて化石を詳しく観察すると、骨の欠損部が、スッポンの特徴であるスポンジ状の組織にも見えてきた。
その時、江川紹子さんは、のどに渇きを覚えて目が覚めました。それが幸いしました。1994年9月20日午前3時半ごろのことです。 水を飲もうかと思った時、玄関で「ガタン」という音がしました。とっさに誰かが家に侵入したと思い、起き上がって室内灯をつけました。部屋に人影は見えませんが、玄関から異臭がしました。思い切って、玄関のドアをあけ、外に出ました。マンションの廊下から階下を見ると、1台の車が止まっており、降りてきたフルフェースのヘルメットをかぶった男が乗り込むとすぐに発進していきました。数日間は声が出なくなりました。 オウム真理教の幹部が郵便受けからホースを入れ、猛毒ガスのホスゲンを噴霧したことがわかったのは、翌年の地下鉄サリン事件の後、教団幹部たちが逮捕されてからでした。実行役は坂本堤弁護士一家殺害にも関わっていた中枢の幹部たちでした。途中で江川さんに気付かれたため、少量しか噴霧できず、逃走
日本学術会議は28日に開いた幹事会で、菅義偉首相が任命を拒否した会員候補6人について、4月の総会までに任命することを菅首相に求める声明を全会一致で決定した。近く井上信治・科学技術担当相に提出する。4月には学術会議の今後のあり方改革の方針を議論する総会が予定されており、梶田隆章会長は幹事会後の記者会見で「極めて重要な意味を持つ総会になるので、(定数の)210人の会員がいる状態で(方針を)決めたい」と述べた。 声明文では、6人を欠くことで「運営や職務の遂行に支障をきたす事態となっている」と指摘。また日本学術会議法で定めた定員を満たさない状態が続くため「会議の独立性を侵す可能性がある。是正できるのは任命権者の首相しかいない」と強調した。
繰り返される「深く反省」「責任を痛感」という言葉を、本気と感じた人はどれだけいただろうか。安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭の費用補塡(ほてん)問題を巡り、安倍氏は25日の衆参両院の議院運営委員会で首相在任中の国会答弁の誤りを認め、謝罪した。しかし、野党側が求める資料提出には応じず、議員辞職も否定するなど「反省」や「責任」とは食い違う対応に終始した。果たしてこんな幕引きで許されるのか。閣僚や官僚の答弁の論点ずらしやごまかしを「ご飯論法」として広め、安倍氏の国会答弁を近年厳しくチェックしてきた法政大の上西充子教授(労働問題)に、今回の答弁の評価を聞いた。【古川宗/統合デジタル取材センター】 筋書き通りに謝っているだけ ――安倍前首相が国会で、これまでの前夜祭を巡る自身の答弁の誤りを認め、謝罪しました。 ◆安倍氏が「答弁を訂正したい」と自ら申し出て国会の場に立ったのに、訂正し
令和2年度内閣及び内閣府永年勤続者表彰式に臨む菅義偉首相(左)と杉田和博官房副長官=首相官邸で2020年12月22日午後2時16分、竹内幹撮影 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題が10月1日に発覚してからまもなく3カ月。政府は内閣府日本学術会議事務局が2018年11月にまとめた「首相に推薦の通り会員を任命する義務はない」とする見解を根拠に正当化する一方、拒否した理由の説明は拒み続けている。ところが重要な見解の作成過程で、「首相の任命行為は形式的なものと解する」とした従来の政府解釈が草案から削られていたことが内部文書で判明した。杉田和博官房副長官の人事介入への関与も裏付ける、一連の膨大な文書を記者が読み解くと、人事介入の正当化ありきで見解をまとめていた実態が浮かび上がった。【岩崎歩/科学環境部】 18年の人事介入が契機と明記 内部文書は、政府が12月、田村智子参院議員
部下の女性教職員5人に対する強制わいせつ罪で2008年に実刑判決を受けた東京福祉大(本部・東京都)の創設者、中島恒雄氏(73)が、11月20日付で、大学長と運営母体の学校法人「茶屋四郎次郎記念学園」理事長を兼ねる総長に復職したことが同法人への取材で分かった。大学側は、中島氏を運営に関与させないことを文部科学省に報告してきた経緯があり、同省は「過去の説明と整合性が取れない」として調査に乗り出した。【鈴木敦子】 中島氏は総長だった08年1月に強制わいせつ容疑で警視庁に逮捕され、総長を辞任した。同10月に懲役2年の実刑判決を受けた。 大学は08年6月、中島氏に権限が集中していた体制を見直し、学長と法人理事長を分離したうえで、中島氏の復職は認めないとする再発防止策を公表した。文科省は、中島氏を運営に関与させないよう大学側に求めてきたが、服役し出所後の10年7月から「事務総長」として雇用されたり、コ
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、突如打ち出された政府の旅行需要喚起策「GoToトラベル」事業の全国一斉の一時停止。政府はこれまで事業継続に重きを置き、事業が感染拡大に影響したとの見方を否定しており、突然の方針転換によって「後付け」ともいえる苦しい説明を余儀なくされている。 「GoToトラベルが感染を拡大させたエビデンス(根拠)はないといまだ強弁している。関連はあるのか、政府の考えをはっきりさせてほしい」。立憲民主党の杉尾秀哉氏は17日の参院内閣委員会で、政府が決定した全国一時停止を巡り、これまでの政府の見解との整合性を追及した。 西村康稔経済再生担当相は「GoToトラベルが感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは、現在のところ存在しない」と盛り込んだ新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言を繰り返し持ち出した。そのうえで「エビデンスはない。しかし、一定の感染レベルになれば、人と人との
「総合的・俯瞰(ふかん)的」「多様性」「バランス」「既得権益」……。日本学術会議の任命拒否問題を巡っては、菅義偉首相が抽象的なフレーズを繰り返す場面が目立つ。具体性を著しく欠いた国のトップの説明は、日本語の専門家にはどう映っているのだろうか。国語学者の金田一秀穂さんは「本来的な意味での『姑息』(こそく)」と指摘し、政権が打ち出す政策にも相通ずるものがあるとみる。【金志尚/統合デジタル取材センター】 「何も考えていないんだろうな、この人は」 ――菅さんは抽象的な言葉が多い印象です。どう見ていますか。 ◆あまり考えた発言とは思えないですね。その場その場をしのげればいいと思っているんでしょう。(学術会議について)「女性が少ない」とか「私立大所属が少ない」「既得権益」とか、思いついたことをとりあえず言っている感じですね。これらは中身を伴わない、何の意味もない言葉です。「何も考えていないんだろうな、
雇い止めを巡る労働審判の内容を口外しないよう長崎地裁の裁判官らでつくる労働審判委員会に命じられたことで、支援してくれた元同僚らに解決内容を伝えられず精神的苦痛を受けたとして、長崎県大村市の男性(59)が慰謝料など150万円の国家賠償を求めた訴訟の判決で、長崎地裁は1日、口外禁止条項を付けたのは違法と判断した。男性が明確に口外禁止を拒否していたのに命令したことで「過大な負担を強いた」と指摘した。 原告代理人の中川拓弁護士によると、労働審判で裁判官らが口外禁止を命じたことを違法と判断したのは初めて。労働審判は毎年3000件以上が申し立てられており、判決が今後の労働審判に影響を与える可能性がある。一方、地裁は労働審判委が口外禁止条項を盛り込んだのは「早期解決の道を探るためで、審判に違法または不当な目的があったとは言えない」として、国賠請求を棄却した。
新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で「GoToトラベル」事業などについて発言する菅義偉首相(左から2人目)=首相官邸で2020年11月21日午後4時16分、長谷川直亮撮影 全国各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府は旅行需要喚起策「GoToトラベル」事業の運用見直しを打ち出した。だが、見直しの中身は専門家で作る政府分科会が提言した一部区域の除外などには踏み込まなかった。限定的な内容にとどめ、事業継続を図りたい思惑がにじんだ。 政府高官「感染拡大の原因とする根拠はない」 「国民の皆さんの命と暮らしを守るのが政府の最大の責務だ」。菅義偉首相は21日、GoToトラベルの運用見直し方針を決めた後、首相官邸で記者団にこう語り、感染対策に取り組む姿勢をアピールした。ただし、見直しの詳細の説明を求める記者団の質問には応じず、その場を後にした。 政府内ではGoToトラベルの見直しに関しては、
瀬戸内海で活躍した村上海賊の主要家系の一つ・来島(くるしま)村上氏の重臣、村上吉郷(よしさと)(生没年不明)に、戦国武将・大名の毛利元就(1497~1571年)が出した書状が確認され、14日から愛媛県今治市の村上海賊ミュージアムで初公開される。書状は古書目録に記されていたが、12日に専門家が花押(かおう)の形状、文書の内容などから元就の書状に間違いないと判断した。【松倉展人】 書状は「二月十日 元就(花押)」と記され、出された年は不明。年頭のあいさつを述べるとともに、太刀一腰(1本)と鳥目百疋(ひき)(銭1貫文)を贈ることがつづられている。形式的な内容だが、吉郷が元就と直接やりとりをしていたことが分かる唯一の資料とされる。
衆院議員の河井克行被告(57)と妻で参院議員の案里被告(47)の夫妻が起訴された2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件は、その内幕が公判で明らかになりつつある。出廷した地方議員らの証言からは、自民党本部から巨額の選挙資金を得た案里議員陣営が、同党のベテラン議員を引きずり下ろそうと「仁義なき戦い」を仕掛けたともいえる生々しい構図が浮かんできた。ネットでのイメージ工作さえも仕組まれた舞台裏とは。 1億5000万円「悪目立ちさせるな」 9月9日、東京地裁で開かれた河井夫妻の第7回公判。参院選前に自民党本部から夫妻側に振り込まれた巨額資金を巡る証言が飛び出した。 参院選の公示前、夫妻が支部長を務める自民党支部の口座には、党本部から計1億5000万円が振り込まれた。野党は「買収資金になったのでは」と批判し、この資金の扱いが注目されていた。 証言台に立ったのは案里議員陣営の会計担当者だった女
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