高校時代に数学の成績が割と良かった人でも、大学の数学系の授業を受けたときに「何を言っているのか、式の意味が全く分からない。。」となることが多いです(私もしかり)。どうしてこのような事象が起きるのでしょうか?また理解度を高めるためにまずやるべきことはなんでしょうか? 大学の数学を学ぶときに引っかかることや引っかかる場所は人によって違うと思いますが、私がもっとも重要だと思うことを簡単にですが書きたいと思います。なお「高校までの数学」と「大学の数学」と便宜上書きますが、あくまで便宜的な表現と思ってください。 高校までの数学は、数学的な対象物というものはすでにあるものとして、その性質を学ぶことが多いと思います。それに対して大学の数学では、数学的な対象物をすでにあるものとして扱うのではなく、これこれの条件を満たすものが「それ」であるとして定義するところから始めます。 これは些細な違いではなくてものす
ゴールデンウィークの自由研究として, Yan 等の中国の研究者グループが 2022 年 12 月に発表した "Factoring integers with sublinear resources on a superconducting quantum processor" という論文 (プレプリント) を 6 回に分けて解説します. この論文は QAOA という量子計算を使った素因数分解アルゴリズム SQIF (Sublinear Quantum Integer Factorization) を提案しています. 初回である本記事では SQIF の背景と, SQIF の主張内容とその評価を概観します. Part 1: 論文の概要 (本記事) Part 2: 平方差法による素因数分解 Part 3: Schnorr の素因数分解法 Part 4: SQIF の詳細 Part 5: SQIF
Hyperbolic geometry, a Riemannian manifold endowed with constant sectional negative curvature, has been considered an alternative embedding space in many learning scenarios, \eg, natural language processing, graph learning, \etc, as a result of its intriguing property of encoding the data's hierarchical structure (like irregular graph or tree-likeness data). Recent studies prove that such data hie
We must change our anti-maths mindset in order to boost growth, Prime Minister Rishi Sunak said today [Monday 17 April]. Speaking to an audience of students, teachers, education experts and business leaders in North London, the PM argued that maths is vital for providing young people with the knowledge and skills they need to succeed in the jobs of the future. Despite it being a core skill which i
はじめに 類体論の種類について 類体の定義 類体論の肝の主張 類体論とは何か?に対する答え 類体論の証明についてのコメント 類体論の一般化 はじめに (本記事で扱う類体論は代数体に対するイデアルによる大域類体論である.) $\def\A{\mathbb{A}} \def\B{\mathbb{B}} \def\C{\mathbb{C}} \def\F{\mathbb{F}} \def\G{\mathbb{G}} \def\H{\mathbb{H}} \def\K{\mathbb{K}} \def\M{\mathbb{M}} \def\N{\mathbb{N}} \def\O{\mathcal{O}} \def\P{\mathbb{P}} \def\Q{\mathbb{Q}} \def\R{\mathbb{R}} \def\T{\mathbb{T}} \def\Z{\mathbb{Z}} \d
これは何? 最近ちびちび宮西正宜・増田佳代さんの「代数曲線入門」を読んでいるのですが、わからないところにあたったときに片手間の数学だとなかなか進まないものです。 代数曲線入門 作者:正宜, 宮西,佳代, 増田共立出版Amazon そんな折OpenAIのChatGPTの新バージョン、GPT4の性能が高いと聞いたので、「試してやろう」とかそういう気持はなく、単に一緒に学ぶパートナーとしてGPT4を試してみることにしました。 わからなかったところ 2.3節「代数曲線の局所環」で、Cをf(X,Y)=0で定まる既約代数曲線とし、Rを座標環k[X, Y]/f(X, Y)としたとき、Cの点とRの極大イデアルが一対一対応するという話をしています。ここで、極大イデアルから点をつくり、そこからまた同じ極大イデアルに戻るところを議論するところで次のように書いてあります。ここで、θはk[X,Y]からRへの全射です
2023の2022乗がちゃんとわからないという数学が不得意なChatGPT、果たして大学の1年生で学習する数学 (解析学) に出てくる証明はできるのでしょうか。 ChatGPTとBingAIで試しました。 (2023年2月末頃の記録です。今日2023年3月15日GPT-4が出たので、随分変わるのではないかと思います。) tl;dr 前半、やっぱり現在[1]のチャットAIは数学は苦手なんだなあ。 後半、これはなかなかすごい。 1次関数の連続性 まず、1年生用の簡単な証明問題をやらせてみます。 入力 関数f(x)=xがすべての実数xで連続であることを証明して下さい。 ChatGPTの出力 f(x)=xがすべての実数xで連続であることを示すには、以下の3つの条件を証明する必要があります。 f(x)が定義されているすべてのxで存在すること。 f(x)がx=aで連続であるための\epsilon-\d
僕は経済学研究科に所属する大学院生です。 ただし経済学の中でも特殊な領域を専攻しており、「どんな社会が”良い"社会か?」「”公平な"資源の配分とは何か?」など哲学的な問いを扱っています。 この記事では、初歩的な数学以外は前提知識なしに、社会的選択理論(経済学の一分野。社会についての哲学的な問いに対して数学でアプローチする)のイメージを共有してみたいと思います。具体的にはより細かいテーマとして最近取り組んでいるPopulation Ethicsについて取り上げます。 Population Ethics(人口倫理)のモチベーションを紹介しながら、Ng(1989)によって示された僕が好きな不可能性定理を証明も含めて説明します。 「数学をこんな問題を考えるのに使っているんだ!」「経済学の中にはこういう領域もあるんだ」みたいなことを共有できたら嬉しいです。 長い旅にはなりますが、ぜひ経済学の中でも特
The links below are to a selection of freely (and legitimately!) available online resources for those interested in category theory at an elementary/intermediate level. Three excellent introductionsA gentler prologue, followed by more on basic themes?Selected lecture notesSelected books and hand-book articlesA more comprehensive list of online lecture notes and books.A few videosIntroductory readi
1829年2月19日木曜日13時。フランス、パリ。寄宿制の高等中学校リセ・ルイ=ル=グラン。特別数学の担当教師ルイ=ポール=エミール・リシャールの部屋にノックの音が響いた。 「どうぞ」 ドアの陰から顔をのぞかせたのは、彼の教え子の中で頭角を現しつつあった、17歳のエヴァリスト・ガロア青年だった。いつもならすぐに数学の議論が始まるところだが、今日はずいぶん神妙にしている。 「どうしたんだい?」 「あの、不思議な夢を見たんです。先生にもらった木工の正十二面体の――」ガロアが話したのは、こんな夢の話だった。 数学の競技試合だろうか。大昔の学校で、群衆が4人の男たちを取り囲んでいる。同年輩の髭の中年が2人と青年が1人、もう1人は8歳くらいの男の子だ。 「フェラーリの勝ちだ!」と群衆のひとりが叫ぶ。フェラーリと呼ばれた青年は立ち上がり、ひざをついた中年の男を見下ろしている。 「ああ、そうだ、タルタリ
なにかとSNSで話題になる「はじき」。「速さ・時間・距離」の頭文字の「は・じ・き」の3文字を、円を分割した図のなかに書き入れることで、「距離÷速さ=時間」などの公式を導くものとして知られています。 私自身も、小学校のときに塾の先生から教わった記憶があるのですが、あまりピンと来なかったので、使うことはありませんでした。今回は、そんな子ども時代の思い出と、「はじきを使わずに、どうしていたのか?」などを書いていこうと思います。 謎の「はじき」「はじき」の図に、足と触覚を生やして「これは虫だ~!」と喜んでいたアホな小学生だった私。算数もとりわけ得意というわけではなく、今思い返すと「速さ」についてあまり理解できていなかったような気もします。そもそも算数に限らず、勉強自体がそこまで好きでも得意でもない子どもでした。 そんな私が、初めて「はじき」を教わったときに、抱いた感想は…… ・「は」「じ」「き」の
This study proposes 'amigami' as a new method of creating a general curved surface. It conducts the shape optimization of weaving paper strips based on the theory of nonlinear elasticity on Riemannian manifolds. The target surface is split into small curved strips by cutting the medium along with its coordinates, and each strip is embedded into a flat paper sheet to minimize a strain energy functi
Haskellで動的計画法を実装する2つの方法 出典: Easily Solving Dynamic Programming Problems in Haskell by Memoization of Hylomorphisms ザ圏論的やり方としては①Dynamorphism、手続き的な方法として②STモナドが挙げられる。 DynamorphismはHylomorphismをメモ化したようなもので、詳しくはlotz氏のサイトを参照してほしい。 Haskellerとしては、Dynamorphismはとても憧れる手法である。しかし、思ったよりも速度が出ない。。 このスクラップに二通りのLCSの解法を記載したが、いずれもTLEであった。 lotz氏によると、メモ化されたデータ構造にはO(n)でしかアクセスできないことが理由とのこと。 この記事では、STモナドによるメモ化再帰を用いた動的計画問題
整数除算の流儀 整数除算は割り切れなかった時の商の扱い方によって何種類かに分類でき、商を0に向かって切り捨てるものと、-\inftyに向かって切り下げる(床関数)ものの2種類がよく使われます。この記事ではこれらの関係を見ていきます。 ここではquot, rem, div, modを次のように定めます。ただし、\mathrm{trunc}(x)はxと同じ符号を持ち、絶対値が\lvert x\rvertを超えない最大の整数であるような整数です。 \begin{aligned} \mathrm{quot}(n,d)&:=\mathrm{trunc}(n/d), \\ \mathrm{rem}(n,d)&:=n-\mathrm{quot}(n,d)\cdot d, \\ \mathrm{div}(n,d)&:=\lfloor n/d\rfloor, \\ \mathrm{mod}(n,d)&:=n
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