リニア中央新幹線の実験車両。「早期の完成を目指して全力で取り組む」とJR東海。だが、地震によるリスクや、環境、沿線住民の生活破壊など課題は多い 静岡県の川勝平太知事の辞職表明で、前進に期待の声が上がるリニア中央新幹線。だが、様々な問題が横たわる。AERA 2024年5月13日号より。 【写真】首都直下地震 東京23区の被害想定はこちら * * * 東京-名古屋間を40分、将来は東京-大阪間を67分で結ぶ。時速500キロで走り、「空飛ぶ地下鉄」とも呼ばれるJR東海のリニア中央新幹線。静岡県の川勝平太知事が環境問題などを理由に工事に反対していたため、当初目標としていた「2027年」の開業を断念していた。それが4月、川勝知事が突然の辞職を表明。早期の開業に弾みがついたといわれる。だが、リニアには数々の問題が指摘されている。まずは、地震だ。 「リニアが地震に強いということは決してない」 こう指