残酷な「いじめ問題」や子供たちの自殺が後を絶たない日本の教育現場。そんな中で命のかけがえのなさを考えるための“命の教育"を10年以上も続けているのが福岡県久留米市の高校教諭・真鍋公士だ。 真鍋の授業は、専門高校の食品流通科1年生を対象に、一人一羽ずつ卵からニワトリを飼育し、成長させたあとと畜、解体し、そして食べるという内容。小さな命を育み、いただくまでの過程で、その重さやかけがえのなさを生徒たちに感じ取って貰うというものだ。 番組では、真鍋が40人の生徒に受精卵を手渡す「授業の始まり」から、飼育し食べるまでの3か月を追った。ニワトリの最後を知りながら、その成長とともに愛情を深めていく生徒たち。そして彼らを真摯に見つめる真鍋。時に「子どもたちにこんな嫌な思いをさせなくてもいいのではないか…」と葛藤しながらも、生徒の強さを信じ、対話をくり返すデリケートな“命の教育現場”をカメラが追った。 真鍋