トップ > 静岡 > 4月3日の記事一覧 > 記事 【静岡】 介護現場で民俗学研究 准教授辞め特養職員の沼津・女性が本出版 Tweet mixiチェック 2012年4月3日 大学准教授を辞めて、老人ホームの介護職員として働く六車(むぐるま)由実さん(41)=沼津市今沢=が、高齢者からの聞き書きをまとめた「驚きの介護民俗学」(医学書院)を出版した。在野の民俗学者が施設で遭遇したのは、近代化の歴史に埋もれた「忘れられた日本人」たちだった。 (谷岡聖史) 県東部にある特別養護老人ホーム。六車さんは食事やトイレの介助をしながら、高齢者から昔の出来事を聞いていった。大半は軽・中度の認知症患者だが「若いころの記憶は鮮明」で、これまでの民俗学研究で出てこなかった近代史の生き証人の宝庫だった。 1935(昭和10)年生まれの元電気技師の男性は高度経済成長期、電気が通っていない宮崎県の山村に電線を引いて回