人月商売のSIerはなぜ「ご用聞き」になるのか。「そんなの当たり前じゃん」と言う読者は多いと思うが、SIerのご用聞きにはなかなか深い闇がある。この「極言暴論」では多重下請け構造など人月商売の闇に切り込むことが多く、ご用聞きがもたらす害毒についてはあまり掘り下げてこなかった。もちろん、ご用聞きと人月商売というSIerの2つの基本属性は表裏一体で切り離せないのだが、今回はご用聞きの問題に焦点を当てて暴論しようと思う。 ご用聞きは人月商売と表裏一体と書いたが、別の観点から言うと「一品もの」を手掛ける企業に共通する問題でもある。人月商売のSIerは建設業界のゼネコンに似ているとよくいわれるが、それだけじゃないぞ。重電メーカーや造船会社、プラントエンジニアリング会社などともよく似ている。以前、重電メーカーの幹部が「営業が単なるご用聞きになってしまっていては駄目だ」と話すのを聞いたことがある。 少し