中国の国有企業で世界最大の鉄道車両メーカーの中国中車が、アメリカ向けで初めてとなる東部マサチューセッツ州ボストン都市圏の地下鉄車両の納入を始めてから約5年が経過した。運行開始当初から脱線したり、バッテリーが爆発したりといったトラブルが相次ぎ、たびたび運行中止に追い込まれる「問題児」(運行当局職員)となっている。入札時には川崎重工業グループなどの競合企業を2~5割下回る金額で受注して「ダンピング(不当廉売)だ」との衝撃が走ったが、今や安かったのは〝訳あり商品〟だったからとの受け止めすら出ている。一方、入札で中国中車に敗れた川崎重工は同じく東部にある大都市ニューヨークの地下鉄の新型車両を納入しており、両方に乗った印象は「全く別物」だった。(共同通信=大塚圭一郎) ※筆者が音声でも解説しています。「共同通信Podcast」でお聴きください。 【中国中車】中国国有の鉄道車両メーカーで、2023年1