イスラム国の劇的な出現は西側の多くの人々に衝撃を与えている。そして多くの人が困惑して、恐怖を感じている――その暴力と、イスラム教スンニ派の若者たちへの明らかな求心力にだ。さらに、この出現に直面したサウジアラビアの迷走を厄介に、また不可解に感じ、首をかしげている。「サウジはイスラム国が自分たちをも脅かしていることに気付いていないのだろうか?」と。 今でさえ、サウジアラビアの支配階級のエリートたちは分裂しているように見える。ある者たちは、イスラム国がイランのシーア派の"武力"にスンニ派の"武力"で対抗するのに拍手喝采だ。新しいスンニ派国家が、まさに彼らがスンニ派の歴史的遺跡とみなす中心地で具体化しているからだ。そしてそれらはイスラム国の厳格なサラフィスト(サラフと呼ばれる初期イスラムの時代を理想とするサラフィー主義の一派)・イデオロギーにより出現している。
カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来 髙岡豊 現代シリア政治 / イスラーム過激派モニター 国際 #イスラーム国#カリフ制 2014年6月、「イラクとシャームのイスラーム国」[*1]の攻勢を前にイラク軍が脆くも敗走、イラク中部の諸都市や、西部のシリアやヨルダンとの国境通過地点が「イスラーム国」などの武装勢力の手に落ちた。 これを受け、「イスラーム国」やイラクの政情がにわかに注目を集めた。しかし、このようなできごとは、「イスラーム国」が突如イラクに現れたことや、イラクの政界で突如「宗派対立」が嵩じたことを意味しない。「イスラーム国」は少なくとも10年前にはイラクで活動していたし、イラクの政界も諸政治勢力の個利個略に基づく政争に明け暮れるようになってから久しかった。 むしろ、「イスラーム国」による攻勢が「大戦果」を収めたのは、イラクの政治過程の破綻と9.1
イラク北部・西部で急速に勢力を伸張させる「イラクとシャームのイスラーム国家」(ISIS)は2011年末の米軍撤退以来、忘れ去られていたイラク問題を国際政治の中心に再び押し戻した。 ISISは、イラク戦争後に現れた反米武装集団を起源とし、宗派間の敵対意識を扇動してマーリキー政権に対抗することで頭角を現した。07年から翌年にかけての米軍増派攻勢でいったんは活動が下火になったものの、11年の「アラブの春」の社会・政治変動の波を受けてシリアが混乱すると、そこを拠点に勢力範囲を広げて息を吹き返し、再びイラクでの活動を活発化させていた。 ≪軍事的、政治的対処が必要≫ ISISは国際テロ組織、アル=カーイダから思想的に刺激を受けているが、エジプト人のアイマン・ザワーヒリーが指揮するアル=カーイダの中枢組織からの指令には服しておらず、アル=カーイダが認めるシリアでの組織「ヌスラ戦線」とも対立している。 イ
・預言者ヨナの墓、ISISが破壊 キリスト教などの聖地(CNN) 武装勢力に破壊されるイラクの文化遺産―預言者ヨナの墓も(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) イスラーム過激派のISIS(自称「イスラーム国」)は,預言者ヨナの墓廟とされる建物を破壊した。これに対するリアクションで多く見られたものは,「狭量な過激派がまた異教の宗教施設を破壊したか」というものと,ヨナが『クルアーン』にも登場していることを知っている人たちの「イスラーム教での聖人であるはずのヨナの墓をなぜ」というものであった。後者の疑問については,実はかなりいいところを突いている疑問だと思う。ちなみに,2年ほど前にもアルカーイダ系の組織がイスラーム教の聖者の墓廟を破壊している。つまり,これはISIS独自の行動というよりも,過激派にある程度共通する行動といってよい。ここら辺について,ちょっとした解説を試みる。 まず,根本的な話
The workmen had been busy in the room where Hezbollah honours its dead. In one corner of the martyrs' cemetery in south Beirut, four women shrouded in black sat cross-legged near a new grave, reading from the Qu'ran. Metres away, the yellow flag of the militant group covered a freshly covered hole in a white marble floor. The scent of burning incense wafted across the room. Another grave, its conc
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