ポンプが足りないため、ポンプの付いていない消毒剤も店頭に並ぶ=大阪府枚方市のキリン堂都丘店健栄製薬の手指消毒剤 新型インフルエンザの予防のために手指(しゅし)を消毒するアルコール剤の注文がメーカー各社に殺到している。官公庁や教育機関、企業などの大量需要もあり、受注が例年の30倍になる例も。メーカーの悩みは、中身の液剤よりも、それを噴出させるポンプ部材の不足だ。 業界大手の健栄製薬(大阪市中央区)が主力とする手指消毒剤、家庭用「手ピカジェル」は国内で新型インフルの最初の感染が確認された5月以降、受注が前年の30倍超の水準に達する。 ところが、供給できたのは前年の数倍程度がやっと。今も百数十万本分の受注残がある。医療機関向け製品の受注も例年の3倍あり、医療現場で品切れしないよう平等に配るのに苦労している。 中身のアルコール剤の増産は比較的容易なのに、出荷がままならない最大の理由は樹脂製