ブックマーク / econ101.jp (62)

  • ブランコ・ミラノヴィッチ「融和主義から戦争へ:ロシア連邦初代外務大臣アンドレイ・コズイレフの政治回顧録を読む」(2022年5月22日)

    From dilettantism to war: a review of Andrei Kozyrev’s political memoir Posted by Branko Milanovic on Sunday, May 22, 2022 ロシアは、政治指導者達があまりに無能だったことで、巨大な不遇をかこってきている。彼らは、意図と正反対の政策を実施した。見通しの良い国内政策と外交政策を企図したプレジネフは、長期にわたるソ連経済の技術的衰退を招いてしまった。ゴルバチョフは、民主主義的な連邦国家を作ろうとしたが、ソ連邦の崩壊といたるところでのナショナリズムの台頭を受け入れざるをえなくなり治世は終焉を迎えた。エリツィンは、民主主義的なロシアを目標としたが、歴史上最大規模の資産略奪を看過し、最終的に古参のKGB職員に頼らざるをえなくなった。プーチンは、ロシアを衰退から挽回させることを目的と

    ブランコ・ミラノヴィッチ「融和主義から戦争へ:ロシア連邦初代外務大臣アンドレイ・コズイレフの政治回顧録を読む」(2022年5月22日)
    ssuguru
    ssuguru 2023/09/20
    “彼の回顧録は読み物としては面白い。しかしその面白さは彼の意向とは裏腹に、1990年代のロシアの外交政策はアマチュア的な体質だったことをが明らかになっていることに起因している。”
  • ノア・スミス「カーターとレーガンについてみんなが聞いてた話は間違いだらけだよ」(2023年2月21日)

    70年代後半~80年代前半のあんな話こんな話を反駁する 元大統領ジミー・カーターがホスピスに入ってケアを受けはじめ,遠からず亡くなると予想されている.そこで今日公開する予定だった記事を急遽変更して,カーター(とレーガン)について2021年に書いた記事を再掲する.カーターはぼくが生まれる前に大統領だった人物だけど,彼が大統領だった時期がいかにひどくて,レーガンによって国の方向がどう修正されたかっていうすごく明快な物語を聞かされて育った.で,大人になってからわかったのが,その物語が現実とかけ離れてるってことだった.というか,1970年代の課題の多くは――高インフレ,強すぎる規制,ソビエト連邦の復活といった課題は――,カーターによって解決の端緒が開かれている.その一方で,レーガンがとったアプローチは,Uターンというよりもそれまでの継続という性格が強い.この記事を読んで70年代~80年代の歴史につ

    ノア・スミス「カーターとレーガンについてみんなが聞いてた話は間違いだらけだよ」(2023年2月21日)
    ssuguru
    ssuguru 2023/06/02
    ソ連崩壊は軍拡競争による財政破綻ではなく、石油価格の下落によるものだという話が出てくる。
  • タイラー・コーエン「なんでこんなにいろんな価格の下2ケタが99セントなの?」(2023年1月3日)

    [Tyler Cowen, “Why do so many prices end with 99 cents?,” January 3, 2023] 企業が商品価格の下2ケタを99セントにする理由は,「左端の数字バイアス」がかかっているからだと言えそうだ――消費者たちには, $5.00 よりも $4.99 の方をずっと安く知覚する傾向がある.全米25のチェーン店で販売されている 3,500コの商品に関する小売り店スキャナーデータを分析したところ,この説明を堅固に支持する証拠が得られた.「左端の数字バイアス」の強さを構造的に推計すると,次のことがわかる――下2ケタが 99 になっている価格から 1セント増えると,消費者たちは,まるで 20セント以上の値上がりであるかのように反応する.次に,左端の数字バイアスがかかった需要をふまえた最適値付けのポータブル・モデルの解を得た.研究では,このモデ

    タイラー・コーエン「なんでこんなにいろんな価格の下2ケタが99セントなの?」(2023年1月3日)
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    ssuguru 2023/01/21
    安値感の演出にとらわれすぎて適切な値付けに失敗しているということ?
  • ノア・スミス「インターネットは断片化したがっている」(2022年12月17日)

    世の中のみんなを1つの部屋に放り込んでうまくいくわけがない 5年前,同僚の Dayv といっしょにビールを1杯やってたときのことだ.ぼくは Twitter をぐりぐりスクロールしながら,ドナルド・トランプの最新暴挙にみんなが憤慨してるのをしげしげと眺めて,こんなことを言った.「あのさ……15年前,インターネットは現実世界からの逃避先だったじゃん.いまは,現実世界の方がインターネットからの逃避先だよね.」 すると Dayv が,「それ,ツイートしなよ!」 ――で,そうした.この凡庸な所見が,ものすごくウケた.他のどのツイートよりも人気だ.ウェブのあちこちのコンテンツ工場で,これが無限に引用されつづけてる. あの他愛ない所見が,どうしてここまでたくさんの人たちに響いたんだろう? いま,インターネットから逃げ出す必要が感じられる理由は,わかりやすい.スマートフォンによって,インターネットが物理的

    ノア・スミス「インターネットは断片化したがっている」(2022年12月17日)
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    ssuguru 2023/01/18
  • スコット・サムナー「日本の金融政策に効果がなかったという迷信」(2022年12月21日)

    [Scott Sumner, “The myth of Japanese policy ineffectiveness,” The Money Illusion, December 21, 2022] 日がこれまで「流動性の罠」にはまったことがなくいまもはまっていないわけを示す具体例が,昨日,またひとつ出てきた.Bloomberg 記事から引用: 日銀総裁の黒田東彦は,10年物国債利回りの上限を2倍に引き上げて市場を驚かせた.これをきっかけに円高が急伸し,国債価格は低下.これにより,新総裁のもとでありうる政策正常化への下地づくりがすすむ. これによって,日銀は10年物日国債の利回り上限をそれまでの 0.25%上限から引き上げて,約 0.5% まで許容する..他方で,火曜の政策発表によれば,短期金利も長期金利も変更されず据え置きとなるという. この動きによって,円高が急激に進んだ,明らか

    スコット・サムナー「日本の金融政策に効果がなかったという迷信」(2022年12月21日)
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    ssuguru 2023/01/11
    もし安倍政権の最優先目標が政権の継続だったとしたら、2%インフレ目標達成デフレ脱却も妥協可能な下位目標でしかなく、政治的に財務省との協調が優先されて消費税増税や緊縮財政が行われたのかな
  • ノア・スミス「《複合危機》論への異論」(2022年11月14日)

    [Noah Smith, “Against ‘polycrisis’“, Noahpinion, November 14, 2022] たしかに問題はたくさん起きてるけれど,それらが相互に増幅し合ってるわけじゃないよ “Hypodermics on the shore/ China’s under martial law/ Rock & roller cola wars/ I can’t take it anymore” — Billy Joel 波打ち際にちらばる使用済み注射器/中国は戒厳令下/ロックンローラーはコーラ戦争中/もううんざりだ――ビリー・ジョエル このところ経済論界隈で耳にする機会が増えてきてる単語がある.それは,「複合危機」(ポリクライシス)だ.この用語をつくったのは数十年も昔のフランス人だけど,最近になってアダム・トゥーズがこれを広めてる.コロンビア大学の歴史家で人気ブ

    ノア・スミス「《複合危機》論への異論」(2022年11月14日)
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    ssuguru 2022/11/26
    自分のためにも下の世代のためにも世界がおおむね上手く回るといいなあ
  • サイモン・レン=ルイス「補論: 9月の予算案が市場に影響した理由について」(2022年10月18日)

    [Simon Wren-Lewis, “Appendix: why September’s budget influenced the markets,” Mainly Macro, October 18, 2022] 〔サイモン・レン=ルイスの長文記事を2回に分けて掲載します.今回は,原文の後半にある「補論」です.論はこちら.〕 なるほどメディアの一部にはこういうことを言う人たちもいる――「9月に予算案が発表された直前・直後の市場の動きは,予算案となんらの関係もない.」 だが,そうした人々は,非常に偏った評論家たちだけだ.他方で,あの予算案があれほどまでに市場に大きな影響をもたらした理由については,まだ意見の不一致が残っている.一方の極には,ラリー・サマーズ説がある.「G10の国で,自国通貨をもちながら政府債務の持続可能性リスクがこれほど大きい国は思い出せない」とサマーズは言う.他方,

    サイモン・レン=ルイス「補論: 9月の予算案が市場に影響した理由について」(2022年10月18日)
    ssuguru
    ssuguru 2022/11/13
    減税の帳尻合わせ発表なし→帳尻合わせの仕方に不確実性発生→将来の短期金利の不確実性が増大→ポンド建て資産のリスク上昇→ポンド安進む。短期金利不確実性→英国債の将来価格の不確実性増大→英国債の利回り上昇
  • サイモン・レンルイス「財務相ひいては首相も退任することに一役買った市場の役割を心配するよりも金融市場が動いた理由を理解することことが重要である理由」(2022年10月18日)

    [Simon Wren-Lewis, “Why it is crucial to understand why financial markets move, rather than worry about the role of markets in aiding the downfall of a Chancellor and perhaps a Prime Minister,” Mainly Macro, October 18, 2022] 〔※サイモン・レン=ルイスの長文記事を2回に分けて掲載します.論に続く「補論」(Appendix) はこちら.〕 はじめに メディアはときに金融危機を利用して,昔の宗教指導者たちによる自然災害利用とだいたい同じことをやる.大勢のトレーダーたちの行動の結果として市場は動く.トレーダーたちはそれぞれに異なった考えをもって行動していて,その関心はもっ

    サイモン・レンルイス「財務相ひいては首相も退任することに一役買った市場の役割を心配するよりも金融市場が動いた理由を理解することことが重要である理由」(2022年10月18日)
    ssuguru
    ssuguru 2022/11/13
    “「市場の信認」といった神秘的な言葉やあやふやな言葉が使われる.”ある程度具体的にメカニズムを追える説明かどうかチェックせにゃあかんな。
  • サミール・ソンティ&JW・メイソン「左派のためのインフレ入門:中央銀行の金融政策、労働への影響、インフレの定義、インフレコストの負担割合などについて」(2022年10月12日)

    昨年来のインフレは、アメリカをはじめとする世界の政治経済の状況を一変させた。IMFと世界銀行は、世界同時利上げによる景気後退リスクについて、国連と同調して懸念を表明しているが、インフレの原因や定義についての議論は未だに錯綜している。また、インフレを巡る政治や、利益を得る人と被害を被る人の配分的影響も問題となっている。 こうした問題の基礎を明らかにするため、ニューヨーク市立大学労働都市研究学校の准教授のサミール・ソンティと、ジョン・ジェイ大学准教授のJW・メイソンによる対談をお届けする。 Who Pays for Inflation? A conversation on monetary policy, labor, and the definition of inflation Posted by Phenomenal World :Samir Sonti , JW Mason Octob

    サミール・ソンティ&JW・メイソン「左派のためのインフレ入門:中央銀行の金融政策、労働への影響、インフレの定義、インフレコストの負担割合などについて」(2022年10月12日)
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    ssuguru 2022/11/12
    みんなコロナによる供給成約を忘れ過ぎだし、バイデン政権の財政出動が過小だった場合は飢餓人口が増えるんだから大きめに振ったほうがましと。
  • タイラー・コーエン 「ジャネット・イエレンへの割り込み ~米国の政界におけるジェンダー・バイアスはいかほど?~」(2022年10月28日)

    ●Tyler Cowen, “Interrupting Janet Yellen”(Marginal Revolution, October 28, 2022) 米国の政治家たちの間で「ジェンダー・バイアス」はどのくらい蔓延(はびこ)っているのだろうか? 稿では、米国の議員の間で広がる性差別(sexism)の効果を厳密なかたちで浮き彫りにするために、FRB議長が招聘(しょうへい)された議会の公聴会の議事録の分析を試みた。具体的には、2001年から2020年までの期間を対象に、(女性初のFRB議長を務めた)ジャネット・イエレンをトリートメントに指定した回帰分析を行った。その分析の結果はというと、2001年から2020年までの間にイエレンだけでなくその他の男性のFRB議長(グリーンスパン、バーナンキ、パウエル)のうちの少なくとも誰か一人と公聴会で相まみえた経験がある議員らは、男性のFRB議長

    タイラー・コーエン 「ジャネット・イエレンへの割り込み ~米国の政界におけるジェンダー・バイアスはいかほど?~」(2022年10月28日)
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    ssuguru 2022/10/29
    まじかー。この世のテクノクラートの頂点とも言えそうなFRB議長に就いてさえそれか。そして「娘効果」
  • ノア・スミス「世界を救った研究がノーベル経済学賞を受賞」(2022年10月12日)

    [Noah Smith, “An Econ Nobel for research that saved the world,” Noahpinion, October 12, 2022] [ノーベル経済学賞の委員会も,授賞の発表でこの映画を引用してるよ!] バーナンキ,ダイアモンド,ダイビッグは,銀行が破綻する理由を解明した――ひいては,銀行破綻で経済が道連れになる理由も 2022年のノーベル経済学賞は,ベン・バーナンキ,ダグラス・ダイアモンド,フィリップ・ダイビッグにおくられた.受賞理由は,銀行破綻・金融危機に関する彼らの研究業績だ.今回の授賞は,おくられるだけの理由がたっぷりあるとぼくは思ってる――現在進行で経済を救う研究をやった経済学者なんて,ほとんどいない. ただ,同時に,今回の授賞はちょっぴり意外にも思った.というのも,ノーベル経済学賞ってのは――自然科学の賞とちがって――たいて

    ノア・スミス「世界を救った研究がノーベル経済学賞を受賞」(2022年10月12日)
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    ssuguru 2022/10/28
    “大恐慌では,1933年までにアメリカの銀行のうち半数が破綻した.一方,2009年までに破綻した銀行は 0.6% にすぎなかった.”一番やばいときにその問題を一番考えていた人がFRB議長だった。
  • タイラー・コーエン「イギリスにおけるポスト・コロナウイルスの超過死者数」(2022年8月21日)

    [Tyler Cowen, “Post-Covid excess deaths in Britain,” Marginal Revolution, August 21, 2022] 過去15週のうち14週で,イギリスとウェールズにおける週当たり超過死者数は平均でおよそ 1,000名を記録した.そして,こうした死者の誰ひとりとして,コロナウイルスによる死者ではない. 現在の趨勢が続けば,コロナウイルスを原因としない超過死者数は,まもなく年内にコロナウイルスによる死者数を超えるだろう――しかも,オミクロン株の感染拡大以上に命をおびやかすものとなるだろう. では,いま,なにが起きているのだろうか?専門家たちの考えでは,パンデミック最初期にイギリス政府が下した各種の意思決定が,いま,裏目に出ているのかもしれないのだという. 人々を自宅にとどめ,病院に来ないように脅かし,治療や初期診療を受けさせない

    タイラー・コーエン「イギリスにおけるポスト・コロナウイルスの超過死者数」(2022年8月21日)
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    ssuguru 2022/08/24
    “過去15週のうち14週で,イギリスとウェールズにおける週当たり超過死者数は平均でおよそ 1,000名を記録した.そして,こうした死者の誰ひとりとして,コロナウイルスによる死者ではない.”↓によるとコロナ死は週200
  • ノア・スミス「スリランカで経済危機が起きてる理由」(2022年7月12日)

    [Noah Smith, “Why Sri Lanka is having an economic crisis,” Noahpinion, July 12, 2022] 教科書的な通貨危機をもたらしたのは,いくつもの政策の失敗 どうもアメリカ人っていうのは,危機が起きてると認識するのが遅い.どこかの外国で怒りに燃えて抗議してる群衆が政府の建物を取り囲んでる様子をある日いきなり動画で目にしても,まだ危機だってわかんないこともよくある.7月9日のスリランカにアメリカ人が見たものは,まさにそれだった. NOW – Protesters storm the presidential palace in Sri Lanka's capital.pic.twitter.com/Wv6oQ10kBQ — Disclose.tv (@disclosetv) July 9, 2022 ここでは,この政治

    ノア・スミス「スリランカで経済危機が起きてる理由」(2022年7月12日)
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    ssuguru 2022/07/29
    通貨危機のメカニズムが分かりやすい。
  • ジョセフ・ヒース「資本主義をぶっ壊す! 働いたら負け! 夢を追いかけろ! 損得なんてクソ喰らえ!:『反体制』はカネになる」(2022年7月2日)

    Down with capitalism! For people and companies alike, there’s a new path to profits: Follow your dream, and trash-talk profits As the economy becomes increasingly dematerialized, trust becomes more important to every transaction, and showing passion can be a quick way to profitability By Joseph Heath Special to The Star Sat., July 2, 2022 無知な大学生だった頃の話だ。授業をサボり、学生会館の地下に篭って、学内新聞の編集者として日々過ごしていた。そこで、記事を

    ジョセフ・ヒース「資本主義をぶっ壊す! 働いたら負け! 夢を追いかけろ! 損得なんてクソ喰らえ!:『反体制』はカネになる」(2022年7月2日)
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    ssuguru 2022/07/19
    大学の授業をこなしながら反体制的学生新聞を熱心に作る能力と体力が体制の中での成功を、反資本主義的な反消費活動が貯蓄を、成功した正業を投げ打つ反利益的狂信性が商品に信頼性をもたらした。志向のパラドックス
  • ジョセフ・ヒース「『啓蒙思想2.0』著者自身による紹介」(2014年4月18日)

    Enlightenment week wrap-up posted by Joseph Heath on April 18, 2014 | Uncategorized 私の著作『啓蒙思想2.0』が刊行されてから1週間が経ったが、大変有意義な1週間だった。これは、書の内容から多くを抜粋して掲載してくれた「オタワ・シチズン」誌と「ナショナル・ポスト」誌に大きな恩を負っている(「オタワ・シチズン」は先週の金曜日に、「ナショナル・ポスト」は今週の間ずっと)。しかし、掲載は抜粋だったため、それを読んだ一般読者を、「一体全体このはどういう内容なんだ?」と不思議がらせてしまったかもしれない。 そういうわけで、抜粋掲載されたものがバラバラではないことを示すために、一連の抜粋がどのように関連し合っているかを説明してみよう。 書では、昨今の政治における非合理主義の台頭に、多くの人が懸念を抱いていることを

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    ssuguru 2022/05/05
    “理性は、どうしようもなくバイアスに囚われており、力不足であるかもしれないが、それでも自らの誤りを見つけ訂正することができる唯一の認知システムであるのだから、人間の幸福にとって不可欠だ”
  • タイラー・コーエン 「箴言あれこれ」(2006年2月26日)/「『ブラック・スワンの箴言』 ~タレブによる箴言集~」(2010年12月2日)

    ●Tyler Cowen, “Would W.H. Auden have enjoyed blogging?”(Marginal Revolution, February 26, 2006) Knowledge may have its purposes, but guessing is always more fun than knowing./知ることには目的があるかもしれないが、知ろうとするよりも、当てずっぽうであれこれ勘ぐっている方が断じて楽しい。 愉快な一冊である『The World in a Phrase:A Brief History of the Aphorism』――著者は、 ジェームス・ゲーリー(James Geary)――の中で紹介されているW・H・オーデンの言葉だ。ついでに、オーデンの箴言をまとめたサイトを紹介しておこう。「読むこと」についての箴言はこちら、「書くこ

    タイラー・コーエン 「箴言あれこれ」(2006年2月26日)/「『ブラック・スワンの箴言』 ~タレブによる箴言集~」(2010年12月2日)
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    ssuguru 2022/05/05
    面白い。「独創的な作家とは、誰の真似もしない作家のことではなく、誰も真似できない作家のことである。」「心が欲望を抱いている間は、幻想が抱かれ続ける。」「愛情を注ぎ続けないと、薄らいでいく。」
  • ダイアン・コイル 「教養豊かな学生への推薦図書 ~社会科学を本格的に学ぶ前に読んでおくべき本と言えば?~」(2016年1月31日)

    ●Diane Coyle, “What should the well-educated student read?”(The Enlightened Economist, January 31, 2016) ニュースサイトのQuartz(クオーツ)に掲載されているこちらの記事に興味をひかれた。米国の一流大学(計10大学)のシラバス(講義概要)でどんなが指定図書に選定されているかを専攻分野を問わずに集計したデータベースの話題が取り上げられているが、指定図書に選ばれている回数が多い順に並べると、プラトン(の『国家』)、ホッブズ(の『リヴァイアサン』)、マキャヴェッリ(の『君主論』)が上位3位とのこと。実に興味深い。 件の記事に触発されて、「ある問い」をめぐってああでもないこうでもないと頭を捻(ひね)っているのだが、無人島に持っていきたいレコードを8枚選ぶ(あるいは、無人島に持っていくべき

    ダイアン・コイル 「教養豊かな学生への推薦図書 ~社会科学を本格的に学ぶ前に読んでおくべき本と言えば?~」(2016年1月31日)
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    ssuguru 2022/05/02
    種の起源読むか!
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「ロシア経済の展望:長期の問題」(2022年3月11日)

    [Branko Milanovic, “Long term: Difficulties of import substitution and delocalization,” Global Inequality and More 3.0, March 11, 2022] 〔※短期についての記事はこちら〕 輸入代替と国内生産への移行という困難 ロシア経済の長期展望を考えるときには,いくつかの想定から手をつけつつ,歴史上の事例にも目を向けると役に立つ.2つの仮定が立てられる.第一に,現在のロシアの体制は,なんらかのかたちで今後10年,20年存続するかもしれない. 第二に,アメリカと西洋諸国による制裁は,ここで考える50年の期間のあいだずっと継続されると仮定できる.この仮定を支える論証は,次のとおり.アメリカによる制裁は,ひとたび実施されると解除するのはきわめて難しい.今日,すでにロシアに対して

    ブランコ・ミラノヴィッチ「ロシア経済の展望:長期の問題」(2022年3月11日)
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    ssuguru 2022/04/13
    東アジアへのシフトと言っても交通・通信を整備して、都市を建設して、雇用を用意して人を呼び寄せる必要があり、莫大なコストがかかると。完成したサプライチェーンの中で生きてるとイメージできない。
  • アレックス・タバロック 「ナチスにハッキングを仕掛けた男」(2017年11月16日)/ タイラー・コーエン 「給食業界も競争が厳しいらしい」(2019年5月13日)

    ●Alex Tabarrok, “Hacking the Nazis”(Marginal Revolution, November 16, 2017) 街角でナチスに抵抗した者もいれば、世界で最初のIT(情報技術)システムをハッキングしてナチスに抵抗した者もいる。「内側」からナチスに抵抗した無名のハッカーが何人もいるのだ。Ava Ex Machinaがそのうちの一部をこちらの素晴らしいエントリーで紹介している。ちょっとだけ引用しておこう。 ルネ・カルミル(René Carmille):パンチカードの開発者。フランス軍の会計監査役を務めた後、フランス人口統計局長に就任。 ナチスは、IBM社からパンチカードを提供してもらっていた。国勢調査のデータを更新するスピードを上げて、ユダヤ人の居場所を速やかに特定する(そして、捕まえる)ためにである。カルミル率いる二重スパイ軍団は、パンチカードの機能をい

    アレックス・タバロック 「ナチスにハッキングを仕掛けた男」(2017年11月16日)/ タイラー・コーエン 「給食業界も競争が厳しいらしい」(2019年5月13日)
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    ssuguru 2022/04/12
    “学校に給食を提供する競合相手のThe LunchMaster社のウェブサイトをハッキングして、児童の食の好みに関する詳しい情報を不正に盗み出した容疑”
  • タイラー・コーエン「ボットの方が自分よりうまくやるようになる日」(2022年4月10日)

    [Tyler Cowen, “When your bot is better than you,” Marginal Revolution, April 10, 2022] やがて,文章でのやりとりのほとんどはボットにおまかせするようになるだろうと,ぼくは予想してる. いままでに書いたメールやらいろんな文章をぜんぶ読ませてボットを訓練してやればいい.いつか,ぼく宛てに来たメールの大半に,ボットが直接返信してくれるようになるだろう.たまに,一部のメールについては,個人的に返信する意義があるかどうかをぼくにボットが確認とることもあるだろう. これは便利そうに聞こえるし,いろんな点で実際に便利になるだろう.お散歩に出かけたりを読んだりする時間は増えるはずだ.ただ,もっと広い均衡について考えておこう.ボットがさばくメールが増えていけば,ボットによって書かれるメールも増えていく.もちろん,すでにそ

    タイラー・コーエン「ボットの方が自分よりうまくやるようになる日」(2022年4月10日)
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    ssuguru 2022/04/11
    「AIに仕事を奪われる」より「botに仕事を奪われる」の方がイメージしやすい。