ドイツ語圏の学校教育現場にはかつて、「学校の授業は知識を身につける場だ」、「学びには厳しさがつきものだ」という考え方があった。最近、少しずつではあるが、それが変わってきているようだ。 学校はいまや、数学の公式や歴史の出来事を教えるだけの場所ではない。生徒たちが幸福になる方法を教える場所でもある──そんな考えのもと、ドイツ語圏の国々の学校では、科目としての「幸福」の時間が導入されている。 「幸せになる方法」を教える授業が、なぜいまの子どもたちに必要なのだろうか。そして、その授業ではどのような取り組みが行なわれるのだろうか。