本に関するnjamotaのブックマーク (193)

  • 書評 「広がる! 進化心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    広がる! 進化心理学 朝倉書店Amazon 進化心理学は基的にヒトの行動や心理を進化的な視点から理解しようとする試みであり,極めて学際的な営みになる.書はそのような進化心理学の周辺分野の専門家たち(その多くは同時に進化心理学者でもある)による進化心理学が周辺分野に与えてきた影響,あるいはその親和性を解説する一冊になる.編者は小田亮と大坪庸介. 冒頭の「まえがき」は「なぜ書店の『心理学』の棚には『進化心理学』というコーナーがないのか」という面白い掴みから始まっている.基的に新しい分野でまだ認知度がなく,そういう書名のが少ないからだと思われるが,ここでは,進化心理学は他の○○心理学と異なり,○○にあたる内容を研究するのではなく,進化はその視座を表しているからだと説明されている.つまり進化心理学は認知科学,社会心理学,発達心理学のような内容による区分に横串を通すような分野であり,そのよう

    書評 「広がる! 進化心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    njamota
    njamota 2024/01/13
  • この本がスゴい!2023

    「あとで読む」と思ったが、後で読まれた試しがない。 今度の週末・連休にと、積まれたは崩されない。次の盆休み・年末年始に繰り越され、山脈を成し床が消える。 読書事になぞらえて、「血肉化」と表現するならば、私がやっていることは、メニューを眺めて片っ端から注文しているくせに、いんすた映えを気にしながら撮るくせに、まともに咀嚼して嚥下して消化してない状態だ。 そのくせ、「積読も読書のうち」と開き直ったり、溜まったこそ私の証などと屁理屈こね回す。読まないに「負債」のような後ろめたさを感じつつ、新刊を探しだす。新しいはそれだけで価値があると盲信し、かくして積読リストは延びてゆく。 もう一つ、恐ろしい予感がある。感受性の劣化だ。 あれほど楽しみに「取っておいた」が、まるで面白くなくなっている。いや、そのの「面白さ」が何であるかは理解できる。だが、それを面白いと感じなくなっているのだ。

    この本がスゴい!2023
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    njamota 2023/12/01
    『終わりなき夜に生れつく』アガサ・クリスティ『違国日記』ヤマシタトモコ
  • 死ぬまでに読みたかったベイトソンが「いま」読める幸せ『精神の生態学へ』

    面会にやってきた母親を、息子はハグしようとする。母親は身をすくませるため、息子はハグを諦めて、少し離れる。すると母親は悲しげに言う「もうお母さんのことを愛してくれなくなったの?」 母親が帰った後、息子は暴れ出したので、保護室へ収容される。 グレゴリー・ベイトソンは、統合失調症の息子ではなく、母親の言動に注目する。息子のことを愛していると言う一方で、息子からの愛情を身振りで拒絶する。さらに、息子からの愛が無いとして非難する。 息子は混乱するだろう。ハグしようとする愛情表現を拒絶するばかりでなく、そもそもハグそのものが「無かったこと」として扱われる。にも関わらず、息子のことを愛していると述べる……そんな母親に近づけばよいのか、離れればよいのか、分からなくなる。 矛盾するメッセージに挟まれる ベイトソンは、この状況をダブルバインドと名づける。会話による言葉のメッセージと、身振りやしぐさ、声の調子

    死ぬまでに読みたかったベイトソンが「いま」読める幸せ『精神の生態学へ』
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    njamota 2023/11/27
    グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ』『精神と自然』
  • 【大人はビビるくらい未熟】子どもの成長をコントロールすることは不可能?「未熟な僕が唯一伝えられる」オモコロ編集長・原宿が伝えたい「どんな人生」でも面白く生きる秘訣(第2回/全2回)

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    njamota 2023/11/14
    「こう感じちゃったんだからしょうがないよなというか、世間にこういうものってあるんだからないことにはできないよなという感覚」ズッコケ三人組シリーズ。
  • 「心理的安全性」はなぜ混乱を招き続けるのか | Q by Livesense

    心理的安全性という概念がある。ここ十年ほどチームづくりの最重要ファクターであるともてはやされ、他方では粗雑な理解によって批判されてきた。急に人気の出たアイドルの宿命みたいなものを背負っている。 世間的なイメージがどのようなものか、少し羅列してみよう。 なんでも言える。否定されない。安心して働ける。不安がない。感情を大切にしてもらえる。あなたはあなたのままでいいと肯定される。 こうしたイメージを抱いている人もいるかもしれないが、残念ながらこれらは、心理的安全性の正しい姿からは遠くかけ離れている。ただ安心してほしいのは、こうした誤解をしている人は決して少なくないということだ。 手持ちのグーグルで「心理的安全性 誤解」と検索してみると、何ページにもわたって理解を正す記事が並んでいる。NewsPicksも、プレジデントも、朝日新聞も、Qiitaも、東洋経済も、あらゆるメディアが心理的安全性の誤解に

    「心理的安全性」はなぜ混乱を招き続けるのか | Q by Livesense
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    njamota 2023/10/03
    ゴフマン他2名「日常生活における自己呈示」 (ちくま学芸文庫)「わたしたちの放つ言葉は、ふたつのものを同時に届けている。ひとつはメッセージが表す内容であり、もうひとつはメッセージが与える印象である」
  • 書評2点:「高い城の男」フィリップ・K・ ディック、「ムントゥリャサ通りで」ミルチャ・エリアーデ著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    フィリップ・K・ディックの代表作。ずいぶん久しぶりに再読した。若い頃に、いちど読んだはずなのだが、ごく一部のエピソードを除いて、内容はほとんど忘れていた。というか、よく理解できていなかったらしい。それだけ深い内容を秘めた話なのだろう。今回読み直してみて、改めてこの小説の価値に気づくとともに、ディックの作家としての技巧の高さに、舌を巻いた。 周知の通り作品は、日ドイツが第二次世界大戦でアメリカに勝利してから15年後の、アメリカを舞台にしたSFである。反実仮想的なこの舞台設定の書で、ディックは1963年度のヒューゴー賞を見事に受賞する。 20世紀アメリカを代表するSF作家を3人選べ、という人気投票をしたとして、P・K・ディックがその中に入るかどうかは、よくわからない。ハインライン、アシモフ、ベスター・・優れた作家は、もちろん数多い。しかしディックも、一定数の強い支持層を持つ、独自の個性

    書評2点:「高い城の男」フィリップ・K・ ディック、「ムントゥリャサ通りで」ミルチャ・エリアーデ著 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    njamota 2023/09/28
    「高い城の男」フィリップ・K・ ディック
  • 依存症行為は自分自身と向き合わないと、治らない

    学生時代の話なのだが、当時ものすごくバレーボールに打ち込んでいた友人がいた。 彼のその情熱は傍からみていて異常な程だった。 試合中に網膜剥離を起こしたのに自分が抜けるとチームが負けるからと試合を強行させたといえば、なんとなくその異常さが垣間見えるだろう。 こんなプレイスタイルだからなのか、彼は当にしょっちゅうテーピングやらアイシングといったものをやり続けていた。 痛み止めもバカスカ飲みまくっており、こいつは早死するなぁと思ったものだった。 ある時、その彼に「そういうのって、効くの?」と聞いた事があった。 これは自分自身がテーピングやアイシング、飲み薬といったものの効用がイマイチ感じにくかったが故の質問だったのだが、彼は即答で 「効くよ」 と答えた後に、続けて面白いことを述べた。 「けど、こういうのに頼ってると弱くなる。だから使わないに越した事はない」 先送りにしていいことは、あまりない

    依存症行為は自分自身と向き合わないと、治らない
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    njamota 2023/08/26
    『世界一やさしい依存症入門; やめられないのは誰かのせい? (14歳の世渡り術) 』松本俊彦
  • 科学やってない人ほど「大学教員」という肩書を盲信する

    anond:20230823145057 これでは大学教員どころか小学生の作文だろう。すべての誤りを指摘するのは時間の無駄なので、次の一文だけを取り上げる。 ・その行為は科学的に無害だとしても、長期間繰り返しても無害か? 「科学的に無害」だが「長期間繰り返すと有害」とはどういう意味なのか? 1000人に読ませれば999人が意味不明だと答える文章であろう。 前の段落を読むと、著者は「科学的に」を「ある特定の条件下では」という定義で使っていると推測はできる。 だが、理系の大学教員が「科学的」という言葉をこのような限定的な意味で断りなく使うことは考えられない。 科学教育に携わるのであれば、ポパーの反証可能性やクーンのパラダイム論といった古典的な「科学とは何か?」という議論は基礎教養として通過しているからである。 一般的な用語をあえて一般的でない意味で使うなら必ずそれを言明しておかなければならない

    科学やってない人ほど「大学教員」という肩書を盲信する
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    njamota 2023/08/25
    「科学の盲信とやらに一言物申したいが、科学を成り立たせるシステムについて真剣に学ぶ意欲はない人間」確かに。科学やってる人が科学を理解してるとは限らんし、大学の先生がこんなもんでも不思議はないよな。
  • 『ステイホーム』(木地雅映子) - 児童書読書日記(仮)

    ステイホーム 作者:木地雅映子偕成社Amazonコロナ禍で一斉休校となった時期の、賢い子どもの物語。小学5年生のるるこは、口に出しては言わないけれど、内心で「コロナ……ありがとー!」と叫んでいました。学校から解放されたるるこは、コロナで仕事がなくなってるること母が暮らしている家に転がりこんできたおばの聖子さんと、家のリノベーション作業に励みます。 自分の居場所を整える作業は生きることの根幹に直結するので、明瞭にやりがいが得られます。壁を破壊しいったん家をめちゃくちゃにすることにも爽快感があります。破壊から秩序を再創造するという神話的営みといっても大げさではないでしょう。木地雅映子の初期短編「天上の大陸」*1にも、廃屋からの分捕り品で洞窟のなかを「部屋」にする少女が登場していました。木地雅映子作品といえばまず知性が先走ったキャラクターが思い浮かびますが、それと同時に生活も大事にしてることも見

    『ステイホーム』(木地雅映子) - 児童書読書日記(仮)
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    njamota 2023/07/08
    「賢い子どもが学校で苦しめられている様子も描いていきます。藤野恵美の近作『ギフテッド』に「頭のいい子は、マイノリティ」」
  • 会話にはルールがある──『会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』 - 基本読書

    会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか (文春e-book) 作者:ニック・エンフィールド文藝春秋Amazon書『会話の科学』は、会話全般に光をあて、そこにどのようなルールや傾向があるかを分析していく一冊だ。我々は会話をしている時、無意識的にそうしたルールを遵守していて、(ルールを)守らないと……とがんばっていることはそうそうないが、書を読めば確かに自分がルールを無意識的に遵守していることに気がつくだろう。 あるいは、会話がうまくいかないと感じている人は、自分が認識していない会話のルールが存在することに気がついて衝撃を受けるかもしれない。ルールや会話の傾向自体は記載されてみれば、「相手が「肯定」を返しやすい質問をする」など「いわれてみればそうだな」と思うものばかりで意外なものはないのだけど、あらためて意識すると、自分がいかに複雑なことを簡単そうにやっているのかがよくわかる。

    会話にはルールがある──『会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』 - 基本読書
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    njamota 2023/04/12
    応答までに要する時間の長さには意味がある。長すぎるのは質問が期待する答えに反する答えを意味する。英語では平均的な236m秒、最長はデンマーク語の468m秒、日本語は最短の7.29m秒。うーあーはこの隙間を予告する記号
  • 『誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド』を読んだ - こまぶろ

    3月に発売されたばかりの『誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド』(原題:Attacking Faulty Reasoning)*1を読んだ。 誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド 作者:T・エドワード・デイマー九夏社Amazon 原書は、非形式論理学・クリティカルシンキングの教科書として使われているもので、初版が1980年、今回の翻訳の底となっている第7版が2013年の出版と、帯に謳われている通りの「ロングセラー」のようである。 自分はこの分野が専門だったわけでもないのだが、論理学には学生時代少し興味があったし、どうすれば議論を実りのあるもの、平行線を辿らずに済むものにできるかということを意識する機会も多いので、この翻訳の紹介を見てすぐ予約購入した。 「前件否定の誤謬」や「規範的前提の欠如の誤謬」といった「論理学らしい」誤謬のほかに、「藁人形論法」や「お前だって論法」といったTwitte

    『誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド』を読んだ - こまぶろ
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    njamota 2023/03/28
  • ハリエット・ビーチャー・ストウ『アンクル・トムの小屋』、土屋京子さんによる訳者あとがき全文公開 - 光文社古典新訳文庫

    『アンクル・トムの小屋』は、じつは、こんなに難解な作品なのである。子供向けの抄訳でこの作品を「読んだことがある」読者の皆さんは、原作の全訳である書に接して、ずいぶん趣の異なる作品を読んだような印象を抱かれたかもしれない。 原作は、文章表現そのものの難解さもさることながら、奴隷制度についていろいろな側面から考察する内容が概念としてかなり複雑なのである。物語に登場するオーガスティン・サンクレア氏の懊悩のように、奴隷制度を単純に悪と決めつけるだけでは問題の解決につながらないという厄介な現実を前にして、当時のアメリカ市民は、知識人や宗教家から卑しい奴隷所有者にいたるまで、それぞれの立場でさまざまな矛盾を抱えて魂の迷路をさまよっていた。抄訳ではそうした難解な部分は大部分がカットされて、「善人で信心深い黒人奴隷トムが極悪非道な奴隷所有者の手で残虐な殺され方をしました、だから奴隷制度はまちがっています

    ハリエット・ビーチャー・ストウ『アンクル・トムの小屋』、土屋京子さんによる訳者あとがき全文公開 - 光文社古典新訳文庫
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    njamota 2023/03/04
    『アンクル・トムの小屋』
  • 書評 「「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた 「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る 作者:グレゴリー・J・グバーダイヤモンド社Amazon 書は物理学者であるグレゴリー・グバーが「ネコひねり問題」について語ったになる.「ネコひねり問題」というのは,「ネコは逆さ向けにして落とされても空中でうまく身体をひねって脚から着地するが,物理学的に考えてみて,なぜ,どのようにしてそのようなことができるのか」という問題だ.書店でこのを見かけて最初に感じたのは,ネコは頭からひねってその後身体全体の向きを変えることができるが,それだけの問題をどうやったら一冊のにまで膨らませることができるのだろうかということだ.そしてそれに興味を引かれて購入して読んでみたものだが,この「ネコひねり問題」には何重にも絡まる謎があって,どうしてなかなか奥深く面白い.原題は「Falling Felin

    書評 「「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    njamota 2022/12/12
    「ヘザリントンが単著論文の原稿にwe, ourを使ってしまい,それを(ワープロのない時代に)直すのが面倒になって愛猫のチェスターを著者に加え投稿し,そしてこの論文は受理された」論文の著者となったネコの話。
  • 書評 「ストーリーが世界を滅ぼす」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する 作者:ジョナサン・ゴットシャル東洋経済新報社Amazon 書は進化的視点から文学を論じる著書を持つ英文学者であるジョナサン・ゴットシャルによる,物語*1がヒトの認知にとってどのような意味を持ち,それが現在の世界にどういう影響を与えているかを論じただ.あるいは「物語の闇の力」についてのといってもよいだろう.原題は「The Story Paradox: How Our Love of Storytelling Builds Societies and Tears them Down」 序章 物語の語り手を絶対に信用するな 序章では書の大きなテーマが語られている.ヒトが会話するのは,それは相手を「なびかせる」ためだ.それは他人の心に影響を与えることであり,普通には説得で,時には操作ということになる.そして著者は「物語」こそが「なびかせ

    書評 「ストーリーが世界を滅ぼす」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    njamota 2022/11/18
    「ニュース価値は「真実かどうか」ではなく「ドラマとして良くできているかどうか」」道徳的で勧善懲悪ラストの物語が真実を押しのけて人の心をつかむのは人の本性だという本。この効果を研究するのが対抗手段だと。
  • 訳書情報 「親切の人類史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか 作者:マイケル・E・マカローみすず書房Amazon 以前私が書評した「The Kindness of Strangers」が「親切の人類史」という邦題で12月に邦訳出版されるようだ.書は実験心理学者であるマイケル・マカローによるヒトの見知らぬ他人に対する利他性がどのように説明されるのかを扱ったものだ.前半は進化的な視点から包括適応度理論(血縁淘汰),マルチレベル淘汰,直接互恵,(社会淘汰を含む)間接互恵からどこまで説明できるのかを扱い,後半では共感のサークルの拡大が理性の役割とともに歴史的に語られている. 前半部分は非常に簡潔かつ明晰な良いまとめになっている.特に現在筋悪のマルチレベル淘汰論者が偏狭な利他主義仮説をもてはやしていることに対して,そもそもマルチレベル淘汰と包括適応度理論(血縁淘汰)は数理的に等価であり,マルチレベル淘汰で

    訳書情報 「親切の人類史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    njamota 2022/11/16
    利他性の進化に関するまとめと、理性が利他の範囲を拡張した歴史。道徳的動物日記にある原著の評「「利他」は「理性」に由来する(読書メモ:『The Kindness of Strangers』)  https://davitrice.hatenadiary.jp/entry/2022/07/15/162844
  • 差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!|Hayakawa Books & Magazines(β)

    差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説! 「白人は、白人というだけで人種差別的である」 「病気や障害を治療・予防しようとする試みは、当事者への憎悪に基づいている」 「映画の中で黒人女性キャラクターを力強いタフな人物として描くのは黒人差別(だが、弱く従属的な存在として描くと女性差別)」 ――ほんとうに? 現代世界を席捲する「社会正義」の根拠を問う全米ベストセラー『「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』(ヘレン・プラックローズ、ジェームズ・リンゼイ:著、山形浩生、森正史:訳、早川書房)。11月16日の刊行に先立ち、山形浩生氏による「訳者解説」を全文公開します。 『「社会正義」はいつも正しい』早川書房訳者解説1 はじめに書はHelen Pluckrose and James Li

    差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!|Hayakawa Books & Magazines(β)
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    njamota 2022/11/16
    最近流行りのポリコレの源流は、かつてインチキとして抛擲されたポストモダン思想にある、という本の話。こないだのルンペンブルジョワジーが正義として依拠するところ。
  • 『無人島のふたり』余命宣告された作家の最期の日々 - HONZ

    訃報はいつだって突然だ。著名人が亡くなると、生放送中のスタジオに報道の人間が原稿をもって駆け込んでくる。速報は一刻も早く放送するのが鉄則だが、そこに記された名前に驚き、思わず足が止まってしまうことがある。訃報にあらかじめ心の準備をしておくことなんてできない。誰かの死に慣れることはこの先もきっとないだろう。 山文緒さんが亡くなったという報せも突然だった。 2021年10月13日、膵臓がんのため死去。58歳だった。 山さんは前年、7年ぶりとなる長編小説『自転しながら公転する』を発表したばかりだった。地方のショッピングモールで働く32歳の女性を主人公にした同作はまぎれもない傑作だった。 NHKの『朝イチ』だったと思うが、軽井沢のご自宅で、キツツキが家の外壁に開けた穴をリポーターに見せたりしながらインタビューに答えていたのをおぼえている。その時の楽しそうな表情がとりわけ印象に残っているのは、山

    『無人島のふたり』余命宣告された作家の最期の日々 - HONZ
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    njamota 2022/11/02
  • ヒトラー『我が闘争』は「意外と内容はまとも」で、それがナチスの恐ろしさと繋がっているのではないか

    チー @cheetaro3 はじめてヒトラーの「わが闘争」読んだとき、どんな恐ろしいことが書いてあるのかと思っていたら、民主主義へのわりと的を射た批判とか、視界内に鼻持ちならない金持ちのユダヤ人がいたらつい頷いちゃいそうな反ユダヤ論で、むしろこの「意外に内容はまとも」な感じがナチの恐ろしさなのだと思った 2022-10-17 18:18:15

    ヒトラー『我が闘争』は「意外と内容はまとも」で、それがナチスの恐ろしさと繋がっているのではないか
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    njamota 2022/10/20
    「民主主義へのわりと的を射た批判とか、視界内に鼻持ちならない金持ちのユダヤ人がいたらつい頷いちゃいそうな反ユダヤ論で、むしろこの「意外に内容はまとも」な感じがナチの恐ろしさなのだと思った」
  • ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を! - HONZ

    ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を! 英語圏ではすでにして評価の高い、ジューディア・パールの大著『因果推論の科学--「なぜ?」の問いにどう答えるか』(原題はThe Book of Why)が、ついに翻訳刊行された。実は私は原書を読みかけて挫折していたのだが、このたび邦訳が出たのを機に、ついに読み通すことができた。そして、書を読み通したことで得たものは大きい。 ジューディア・パールは、人工知能への確率論的アプローチの導入と、ベイジアンネットワークの開発により世界的名声を確立し、「人工知能分野の巨人」とも呼ばれる人物である。ベイジアンネットワークなんて初めて聞くという人もいるかもしれない。人口知能研究の歴史という観点からざっくりその位置づけを説明すると、かつてAI研究は、「エキスパートシステム」と呼ばれるアプローチを採ってい

    ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を! - HONZ
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    njamota 2022/10/14
    科学はhow?には答えるがwhy?には答えないという常識を打破する「因果革命」の話。かつて因果を扱おうとして失敗した結果が現在の統計学であり、「因果関係に関する数学的言語」を作ろうとしている第一人者の解説本。
  • 科学の世界に革命をもたらしえる力──『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』 - 基本読書

    因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか 作者:ジューディア・パール,ダナ・マッケンジー文藝春秋Amazonこの『因果推論の科学』は、その名の通り因果推論について、その先駆者の著者が書いた一般向けのサイエンスである。とはいえ、大半の人の反応は「因果推論ってなんなんだ」であろう。僕も何もわからぬまま読み始めたが、著者がこれは「科学の世界の革命」であると自賛するだけのことはある概念であることはすぐにわかった。 その一方、相当に難しい、とっつきづらい概念でもあり、いかな一般向けの著作といえども書を読んで理解するハードルは他のサイエンスと比べても高いといえるだろう。数式も出てくるし、統計学の用語もぽこぽこ出てくるので、素人がスルスルと読み通せるではない。とはいえ根気強く読んでいけば理解できるように書かれているし(数式自体は別に読み飛ばしても問題はない)、理解すれば因果推論の科学がいか

    科学の世界に革命をもたらしえる力──『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』 - 基本読書
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    njamota 2022/09/16
    相関を因果関係にもっていくための3階層「関連付け」「介入」「反事実的な問い」。交絡とは「条件付き確率P(Y|X)≠介入確率P(Y|do(X))を引き起こすもの」。