リスク(危害が起こる可能性)は、誰にでも平等に降りかかるわけではない。社会的・経済的に脆弱な状態にある人々(いわゆる弱者)は、そうではない人々よりも、あらゆるリスクを強く被る、ということは容易に想像がつくだろう。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も例外ではない。アメリカでは黒人は白人よりも同病で死亡する率がずっと高いことが明らかになっている。このこともまた、ブラック・ライブズ・マター運動に世界中から共感が集まっている理由の一つであろう。 ここではあまり知られていない事例を紹介しよう。知的障害や発達障害のある人たちは、そうではない人たちよりも、新型コロナウイルス感染症アウトブレイクの影響を強く受けているらしいことだ。 ニューヨーク州で致死率2.7倍 アメリカで障害者施設を広く調査した研究によれば、知的障害や発達障害のある人たちは、そうではない人口集団よりも、新型コロナウイルス感染