国の2020年度予算のうち、21年度への繰越金が過去最大の30兆円超に達する見通しとなった。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、巨額の補正予算を3度組んだが、総額の5分の1前後が執行されずに持ち越された。 【写真】1円玉を500枚持ち込んでも預金額は「0円」…手数料の仕組み 例年は5兆円以下に収まることが多く、これまでで最大だった東日本大震災直後の12年度の7・6兆円を大きく上回る。20年度の一般会計の歳出総額は、3度の補正予算によってコロナ禍前に編成した当初予算(102・7兆円)に比べて1・7倍の175・7兆円に膨らんでいた。 国の予算は、年度内に使い切る「単年度主義」が原則で、財政法は、自然災害などやむを得ない理由に限って翌年度に繰り越すことを認めている。秋の衆院選を控え、与党からは繰越金の活用を視野に入れた大型経済対策を求める声が一段と強まる公算が大きい。