たかだまさゆき/1960年高知県生まれ。86年北海道新聞社入社。本社報道本部次長、ロンドン支局長などを経て、2011年6月末に退社。本年4月から高知新聞社勤務。04年北海道警察裏金問題を追及する報道で新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議大賞、菊池寛賞受賞。 柏書房 1995円(税込) 登場する歪んだ精神の持ち主たちとその人間模様だけに目を奪われていては、本質を見失ってしまう。この作品の凄さは、企業(組織)ジャーナリスト、ジャーナリズムが抱える「いびつな社内文化」による「ジャーナリズムの崩壊過程」を見事な筆致で描写している点である。著者が冷静に事実に事実を積み重ね、真実を記せば記すほど、読者は怒りに熱くなるはずだ。 著者は03年11月から05年6月にかけて北海道新聞が調査報道によって暴露した「北海道警察裏金流用事件」の担当デスク。一連の報道で、04年仲間と共に日本ジャーナリスト会議大賞、新聞協