8局目、私が勝てば最終局はリーダー対決に 準決勝の対戦相手であるチーム里見は、私たちチーム西山と構成がよく似ている。予選を無敗で抜けてきた里見香奈女流四冠と西山朋佳女流三冠。絶対的なリーダーをそれぞれ持ち、その激突は誰もが見たい対戦である。 チームで最大9局も指すのだから、どこかで見られるだろうと、ぼんやりと楽しみに思っていた。 準決勝当日。集合時間は予選の深夜までの連戦から一転、朝7時。ABEMAトーナメントは将棋の強さだけではなく、あらゆる条件にどれだけコミット出来るかも試される。 第1局は私が出ることになった。相手は里見咲紀女流初段。初戦がチームにとって重要であるとともに、そこできっちりと力を出すのが難しいことは予選でわかっている。山口恵梨子ちゃんが持ってきてくれた栄養ドリンクを飲んで、対局に向かった。 結果は全然ダメだった。負けたことよりも、手がまったく見えていない。長時間で戦う将