「観る将」の視点から、2019年度の将棋界を振り返ってみる「観る将アワード2019」の中編となる本稿では、「ベスト解説者&聞き手」「Twitter&文章」2部門の発表を深浦康市九段と遠山雄亮六段による選考座談会の模様とともにお届けする。 まずは、あまり解説をしていないのにもかかわらず「将棋の強いおじさん」が多くの票を獲得した「ベスト解説者&聞き手」から始めよう。 あまり解説していないのに解説者トップの木村王位 ――観る将的には、対局者と同等、もしくはそれ以上に愛着のある解説者と聞き手ですが、まずは解説者の話から始めましょう。アンケート結果をみると、解説者では同数でトップが二人おられました。まずは木村一基王位です。 〈私はほぼほぼ棋力がないに近いのですが、将棋をわからない初心者が将棋の放送を楽しめるのは木村王位の解説だったと思います〉(45歳/女性) 〈木村王位の解説は単純な面白さがあります