要点 酸素分子を使わず嫌気的にアンモニアを活性化する人工触媒を発見 37種類の鉱物材料に対するスクリーニングで硫酸銅が触媒となることを確認 富栄養化問題から窒素が関わる生命起源研究に新たな知見を提示 概要 東京工業大学 地球生命研究所(ELSI)の中村龍平教授(理化学研究所チームリーダー)、何道平研究員(研究当時、現 上海交通大学准教授)、理化学研究所の橋爪大輔チームリーダー、足立精宏テクニカルスタッフIらの研究チームは、嫌気環境に鉱物として存在する硫化銅(コベライト[用語1])が、バクテリアが行う嫌気的アンモニア酸化を人工的に駆動する能力があることを突き止めた。 嫌気的アンモニア酸化(アナモックス)は、アンモニアと亜硝酸から窒素ガスを作り出す反応で、1995年に排水処理場に生息するバクテリアで発見された。これは地球海洋における固定窒素の50%近くの除去に関与する重要な反応で、30年近く研